派遣社員が履歴書を書く時の疑問を一挙解決
派遣社員が履歴書を書くとき、正社員からの転職や新卒の大学生とは少々書き方に違いが出てきます。就職を希望する上では何ら変わりはありませんが、履歴書を前にすると「あれ?ここはどう記入するべきなんだろう…」という疑問の数々が湧き上がってくるのではないでしょうか。
派遣社員の特徴や正社員との違いを理解した上で、履歴書を作成する時のポイントをご紹介していきます。
履歴書を書くにあたって派遣社員と正社員の違いを知ろう
派遣社員として働いている・または働いた経歴がある人が履歴書を書く時には、まず派遣社員の特徴や正社員との違いに注目し、それを理解した上で履歴書の作成に入りましょう。
派遣社員の特徴と正社員との違いをチェックしていき、履歴書を書く際の知識を整理していきます。
正社員は企業の正規の社員・派遣社員は企業の社員ではない
派遣社員と正社員の大きな違い、それは働いている内容が一緒であったとしても「会社・企業における立場が違う」というところです。これは、正社員の方が上で派遣社員が下、というようなものではなく「正社員は会社・企業の正規の社員である」ということなのです。
したがって、派遣社員はどれだけ能力があり結果を出せる人材だとしても「会社・企業の社員ではない」という立場になります。「派遣社員」という立場は人によっては都合が良い場合もありますが、正社員を目指していたり仕事のステップアップを狙っている人にとっては歯がゆい立場と言えるでしょう。
正社員は企業に直接雇われている・派遣社員は派遣会社から企業に派遣されている
そもそも派遣社員と正社員では雇用形態が違います。上に述べたように「立場が違う」のと同じで、正社員は会社・企業から直接雇われている人材になります。
逆に、派遣社員は派遣会社から会社・企業に派遣されている人材であり、派遣会社が「この人はこの企業に適している」と選んで契約している会社や企業に送ります。したがって「契約期間」が設けられていて、長期で同じ職場に勤めるためには企業から契約更新されなければいけません。
正社員は転職サポートを受けられない場合がある・派遣社員は転職サポートを受けられる
「正社員の方が派遣社員よりも有利である」…それは一概に言えたことでもありません。万が一、会社や企業の都合でリストラにあってしまったら、アフターケアを受けられない正社員の場合は自分で一から再就職活動・転職活動を行わなければいけないからです。
派遣社員の場合は、派遣登録する際に自分が希望する職種・勤務形態などのリクエストを出した上で自分に適した会社や企業を紹介してもらえます。契約満了になったとしても、派遣会社が次の派遣先を提案してくれるため、転職のサポートを受けられるという最大のメリットがあるのです。
派遣社員として働いた経歴は履歴書に記入するべきか
実際に派遣社員として履歴書を書く際に、仕事の経歴はどのように記入すればいいのでしょうか。派遣と言っても種類は様々なので、「どれを書いたらいいの?」「どこからが仕事の経歴と呼べるの?」なんて疑問を持たれている方も多いはず。ここでは、履歴書に書くか書かないか迷ってしまう経歴ラインをチェックしていきましょう。
アルバイトやパート経験は履歴書に記入しなくて良い
派遣社員として働く以前・または平行して行っているアルバイトやパート経験は、履歴書に書く必要はありません。なぜなら会社や企業は、パートやアルバイトを「職歴」と判断しないためです。ちなみに派遣とパート&アルバイトの違いは「派遣は就業期間が決められている/パート&アルバイトには就業期間が決まられていない」というところです。
派遣社員としての経歴は履歴書に必ず記入する
派遣社員としての経歴は立派な職歴なので、履歴書にはもちろん記入します。ただし、その際には書き方に少し工夫が必要です。派遣社員という経歴ならではのポイントを抑えた内容を明確に記入して、履歴書の「職歴」「志望動機」などを埋めていきましょう。
派遣社員の履歴書の書き方|職歴・在職中・志望動機の記入例
派遣社員の履歴書作成でポイントとなるのが、「職歴」「志望動機」「在職中」の書き方ではないでしょうか。ここでは、この三カ所をクローズアップして具体的な書き方のポイント・記入例をご紹介します。
派遣社員の「職歴」の書き方ポイント&記入例
派遣社員の職歴を書く際には、以下の3つのポイントを記入する必要があります。長期間派遣社員として働いている人や複数の派遣会社に登録している人は、改めて派遣会社ごとの契約書などを確認して正確な登録年月日や派遣先の就業期間などが分かるものを用意しましょう。
- 登録した派遣会社名・登録年を記載
- 派遣会社に紹介された企業と与えられた業種を記載
- 契約期間の終了/満了時を記載
派遣社員の「職歴」記入例
平成○年△月 ●●派遣会社に登録
平成○年△月 ▲▲株式会社にて経理職として勤務
平成○年△月 契約期間満了のため退職
(※派遣会社との登録も終了した場合)
平成○年△月 ●●派遣会社との派遣登録終了
派遣社員の「在職中」の書き方ポイント&記入例
派遣社員として現在も働きながら次の派遣先・就職先を探している人も多いはず。そんな時には履歴書の職歴に「在職中」や「現在に至る」と記入します。
- 「現在、在職中」
- 「現在に至る」
「現在在職中」の記入例
平成○年△月 AB派遣会社に登録
平成○年△月 CD株式会社にて事務職として勤務 現在在職中
(※勤務歴と並びで記すと◎)
「現在に至る」の記入例
平成○年△月 AB派遣会社に登録
平成○年△月 CD株式会社にて事務職として勤務(現在に至る)
現在に至る
(※勤務歴と並びでも改行して左寄せで記入しても◎ 見やすいように工夫しよう)
派遣社員の「志望動機」の書き方ポイント&記入例
正社員として企業に就職希望する際には、希望する会社や企業の情報をリサーチして自分の特技やスキルなどを交えながら志望動機を書きます。派遣社員から正社員を目指している人なら、その気持ちや意気込みを記すことも大事です。もちろん「派遣よりも安定しているから」なんて理由が最もではありますが、履歴書を見る側にやる気や向上心が伝わるようなクリエイティブかつポジティブな志望動機を心がけましょう。
派遣社員としての経験から培ったスキルをアピール
「長年派遣社員として多くの会社で営業に携わって参りました。多種多様な現場での営業力は、どんな場所へ行っても通用するスキルだと自負しております。日本ではトップシェアを誇る御社で、ぜひ自分の可能性をより広げると同時に、自分が培ってきた経験や知識を元に活躍していきたいと思っております」
就職希望先企業の特徴や社風をリサーチして自分の考えや目標を述べる
「○○社の多彩な国際プロジェクトに自分の留学経験や語学スキルをもって貢献すると同時に、自分の新たな可能性や能力を伸ばしていけると思いました」
派遣社員として働いた詳細は履歴書でなく、職務経歴書に記入しよう
「正社員を目指したい!」という強い気持ちを履歴書にぶつけることも大事です。しかし、履歴書を受け取る側が「読みにくい」と感じてしまうような重々しい履歴書にならないように気を付けましょう。特に、派遣社員として数多くの経験や実績がある場合は所せましとあらゆる詳細を書き込んでしまいたい気持ちも分かります。
「アピールしたいポイントが沢山ある!」「知って欲しい実績を記入したい!」そういう時には、履歴書には簡単な「派遣会社・期間・満了時」という情報だけに抑えておいて、残りは同封する「職務経歴書」に記入するようにしましょう。
「職務経歴書」とは?
「職務経歴書」とは、履歴書と共に同封する、今までに経験した仕事の詳細を記した書面のことです。履歴書では書き切れない派遣時代に任されたプロジェクト内容や成果も記載できるので自己アピールにも繋がります。履歴書はあくまでも「シンプルで明解・見やすく」作成し、あれやこれやと書き綴りたい内容は職務経歴書に詳しく記しましょう。
「職務経歴書」はどうやって用意する?
職務経歴書は手書きで用意することもできます。その際にはA4サイズの紙を基本として、誰が見ても見やすいように箇条書きスタイルで記すと良いでしょう。
手書きに自信がない人は、ネットなどにあるテンプレートを利用するとより見やすい職務経歴書になります。手書きでもテンプレートでも"見やすい”ことがなによりも大事なので、詰め詰めに書き込まずに余白や改行などを上手に利用して一目で内容が把握できるように工夫しましょう。
ただただズラズラと職歴を並べるのではなく、「時系列」「キャリアごと」「プロジェクトごと」など、アピールしたい・注目して欲しいポイントに視点を定めて作成すると、見やすい&言わんとしていることが伝わる職務経歴書になります。
派遣社員の履歴書はポイントをおさえた書き方をしよう
派遣社員の履歴書を書く際には、ポイントをおさえた書き方をすることが重要です。つまり、派遣社員として働くことで、どのようなスキルや経験を積み、どのような貢献ができるかを的確にアピールすることが求められています。
具体的には、派遣先企業で求められる業務内容や役割をしっかりと理解し、自分自身がその業務に適した能力や経験を持っていることを示すことが大切です。また、派遣先企業における業務のスキルや知識について、自分自身がどの程度理解しているかを明確に示すことも重要です。
さらに、派遣社員としてのメリットをアピールすることも有効です。例えば、柔軟な働き方や、様々な企業での経験を積むことができるといった点を強調することができます。
また、派遣社員であることを明確に書き出し、自分自身が派遣社員としてどのような姿勢で仕事に取り組んでいるかを示すことも大切です。具体的には、柔軟性や協調性、コミュニケーション能力、粘り強さなどをアピールすることが有効です。