履歴書の研究課題欄をうまく書くコツ
「履歴書に書く研究課題は何を書けばいいのだろうか?」そんな風に悩んでいる人は多いです。理系なら現在研究していることや、既に研究が終わっていても比較的書きやすいかもしれませんが、文系の研究課題欄は書きにくいです。理系から文系まで、うまく履歴書に研究課題を書き人事担当者にアピールする方法や、研究課題欄の書く内容に困ってもうまく履歴書に書くコツをご紹介していきます。
履歴書の研究課題で企業は何を見ているのか
履歴書の研究課題欄は、ただ事実だけを書けばいいと言うものではありません。企業は研究課題欄から自分たちが知りたいことを読み取ろうとしていますので、企業が見たいポイントをしっかり押さえたうえで書くようにしてください。
考え方や研究課題に取り組む姿勢
どんな理由で研究を始めたのか、研究課題に取り組んだ結果はどうだったのかを通して、企業はその人が「何をしたい人なのか」「何ができる人なのか」を読み取ろうとします。取り組んだ研究内容や研究課題の成果を問うているのではなく、その人の考え方や研究課題に取り組む姿勢が見たいのです。
そのことから、企業は、この人はこの会社でどのような活躍ができるのかを考えるでしょう。ちゃんとした考え方をもって一つの課題に真剣に取り組めるということは、仕事においてもそうであることが想像できます。履歴書の研究課題欄は、研究課題に取り組んだ自分を知ってもらえる書き方で、細心の注意をもって書く必要があります。
人間性
現時点で持っているスキルよりも将来の可能性を重視するポテンシャル採用をする日本企業が注目しているポイントとして重要なのが人間性です。外資系の企業はどちらかというと何ができるのか?といったスキル面中心の採用ですが、未だに終身雇用が前提の採用が多い日本企業では、人間性を重視する企業が非常に多いといえます。
履歴書の研究課題欄を書く際に、最も人間性が出やすいのが困難に直面した時の行動です。人間性がよく分かるように書くには、困難にぶち当たった時にどう思ったのか、解決するためにどんな策を講じたのか、どんな考えでどんな行動をしたのかを理論的に一貫性のある書き方で書き示すことが大切になります。
説明力
企業が重視するポイントとして、説明する力もあげられます。どんなに素晴らしいスキルを持っていて、どんなに素晴らしい成果を出したとしても、それを人にうまく魅力的に伝えられるプレゼンスキルやコミュニケーションスキルがなくては意味がありません。
履歴書に書く研究課題は初めて聞く人からするとわかりにくく、理解が難しいことが大半です。そのため、初めて聞く人でもわかるように、専門用語を避け、誰でも分かる言葉できちんと筋道立てて説明する書き方で書くようにしてください。
履歴書の研究課題欄の書き方ポイント
企業が履歴書の研究課題欄のどんな所に注目しているのかを押さえた所で、次はどんな書き方をすれば良いアピールが出来るのかご紹介します。ご紹介する研究課題欄の書き方は、研究課題だけではなく履歴書やエントリーシートに各内容全てに応用できる書き方です。わかりやすく内容を書くためにも、是非ご紹介するポイントをしっかりと押さえて書くことを意識してみてください。
その研究課題を選んだ動機をはっきりさせること
研究課題欄に書く際に最も基本となるのが「動機」部分です。ここがしっかりしていなければ説得力のある内容は書けないため、しっかり意識して書くようにしてください。動機部分を書く際にまずするべきことは、自分はなぜこの研究課題をやろうと思ったのか?ということを問いかけることです。
この段階ではまだ本当の動機そのものを答える必要はありません。動機部分が元からしっかりしているという人はそれほど多くはないため、何度もなぜか?と問いかけて根本の動機にたどり着くことが出来れば問題ありません。
研究課題に取り組む過程で行った工夫を述べること
より魅力的なアピールをするために必要なのが、「工夫点」です。どんな研究課題であっても、それぞれの過程で自分が考えて行った工夫、行動があるはずです。自分がこだわった点や困難だった点を思い出すと書きやすいでしょう。チーム内での行動などでも構いません。
例えば、このような工夫点が考えられます。「研究は比較的先行研究があったが、独自性を出すためにより自分の専門に絞って研究を行った。チームが途中でバラバラになりかけたが、一人一人の意見を聞いて橋渡し役となることでチームの意見共有を行った。」
研究課題の工夫点は人それぞれにより一番違いが出るポイントなため、他の人と違う独自性を出すには工夫点に力を入れるとより自分らしさが出た文章が書けます。
研究課題を行う過程で苦労した点を述べること
最も人事担当者が質問してくる点として、「苦労した点」があります。研究課題の取り組みで苦労した点はわかりやすいため書きやすいですが、ポイントはどれほど苦労して、どう乗り切ったかということをきちんと伝わるように書くことです。
苦労した点は、多少大げさに書いても良いです。そこから結果的にどう乗り切ったのかということをしっかりと書くことが出来れば、非常に読み応えのある文章となります。
研究課題の成果・結果をアピールすること
読む人がわかりやすい研究課題の成果・結果といった部分を、具体的に履歴書の研究課題欄に書くことも大切なポイントです。数字で示せるものや順位などがあれば、よりわかりやすく研究課題の成果や結果をアピールしやすいと言えます。数字で表すと非常に客観的でわかりやすくなるため、数字化できるものはどんどん数字化してアピールすると良いでしょう。
研究課題に取り組んで自分が成長した点をアピールすること
忘れてはならないのが、「自分が成長した点」です。企業は一部を除き研究課題の成果が欲しいのではありませんから、どれほど良い研究をしたとしてもこれが無ければ全くの無意味となってしまいます。研究課題の取り組みで成長した点を履歴書の研究課題欄に書くには、動機部分と照らし合わせて書くと書きやすいと言えます。
例えば、動機部分に「自分が苦手としていた人とのコミュニケーションを、共同研究を通して克服したいと思った」といった動機があれば、研究後に自分が成長した点として、どれほど苦手としていたコミュニケーション能力に変化があったのか、周りの人との接し方がどう変わったのか、これからどのように周りの人とコミュニケーションを取っていきたいと考えているのかといった、成長した点を書くことが出来ます。
履歴書に書く研究課題がない場合の書き方
文系の人の悩みに多いのが、研究課題欄に書くことがないという場合です。ですが、心配はしなくて大丈夫です。文系の人はほとんどが卒業論文を就活後に書くため、そのような人は非常に多いのです。そのため、企業によっては履歴書の研究課題欄を記述不要と指示する場合や、自分が最も力を入れた講義、ゼミなどについて書くように指示される場合も多いです。ゼミなどに所属していれば何かしらの活動はあるため、その活動についてきちんと書けば問題ありません。
今まで学んできたことについて書く
履歴書の研究課題欄に書くことがない場合、今まで学んできたことについて書くという方法が考えられます。この場合は、自分が履修してきた講義からゼミの内容をしっかりと思い出して書くことが重要です。なぜその授業に興味を持ったのか、より深く知るためにどのような事をしたのか、その結果、何を学んだのかを考えてみてください。
この場合、研究について書く際と同様に、より動機部分をしっかり書くようにしましょう。研講義について書く場合は、究課題と比べて研究よりも内容が薄くなりがちなので、出来れば志望する企業や業界への志望動機に繋がるような内容を選択するのがベストです。
これから研究しようと思っていることを書く
企業によっては、研究課題が無い場合、これから研究しようとしていることについて書くように指示される場合があります。この場合は、下記のあるようにある程度自分の中でしっかりと研究の目的や手順、枠組みをしっかりと作って書くといいでしょう。
- 何のために研究するのか
- 独自性(できれば先行研究などと比較)
- 仮説
- 分析方法
- 予想される結論
履歴書の研究課題欄は書き方次第で自分をアピールできる
履歴書の研究課題欄は、自分がどのような研究を行ってきたか、どのような問題に取り組んでいるか、どのような成果を出したかなど、自分の研究に関する情報をまとめるための欄です。
この欄をうまく書くことで、自分の研究力や能力をアピールすることができます。研究課題欄を書く際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
まずは研究テーマを明確にし、そのテーマに取り組んでいる理由や背景を説明します。また、自分がどのようなアプローチや手法で研究を進めたのか、どのような問題点や課題があったのかなど、具体的な内容を示すと良いでしょう。
次に、自分がどのような成果や貢献を出したのかを具体的に示すことが重要です。例えば、学会発表や論文掲載、特許取得など、自分の研究成果をアピールすることで、自分の研究力や能力を証明することができます。
さらに、研究課題欄では、自分の研究に関する将来展望や、今後の課題、改善点などを示すことも重要です。自分の研究に対する深い理解や洞察力をアピールすることで、自分の研究力を証明することができます。
最後に、面接などで、研究に関する質問が出た際に、履歴書の研究課題欄を参考に回答することがあります。そのため、研究課題欄では、自分がどのような研究を行ってきたか、どのような問題点や課題があったかなど、質問に対する回答になるような情報を含めることも重要です。