ブラック企業を見分け方を知る事が被害に遭わない方法
就職は人生を決める重要なターニングポイントです。特に新卒の方は二度とないチャンスを大事にしていると思います。その為、新卒入社した会社がブラック企業でも、退職するのに戸惑ってしまう事もあるでしょう。しかしそのような状況が続くとブラック企業も味をしめてしまい、労働環境の改善には至らない可能性があります。自分の身は自分で守るしかありません。限界が来る前に退職する勇気も必要です。
ブラック企業の被害に合わない最善の方法は、ブラック企業に就職しない事です。事前情報では判断が難しいのですが、それでも見分ける方法はあります。ブラック企業の被害で人生を棒に振ることが無いように、その見分け方を知っておきましょう。
ブラック企業の見分け方1.高給が売り文句の求人には要注意
ブラック企業の被害に遭わない為には求人票の段階で判断する必要があります。ではどうすれば判断できるのでしょうか。代表的な例は高給を前面に押し出している企業です。
まずは基本給を確認してみましょう。ブラック企業は基本給が一般的な企業と比べても少なめに設定されています。その分手当てを厚くして給料全体の金額を高く見せているのです。
基本給はその月に必ず貰える給料です。しかし手当て分の給料は会社のさじ加減となっています。無茶なノルマや目標を押し付けられ、達成できなければ手当を支払わない企業もあるでしょう。
そのような会社に就職した場合は本人も一生懸命働くしかありません。目標を達成しなければ給料が少なくなってしまうからです。その為サービス残業も横行し、結局体を壊してしまうのです。
月給60万以上可能!というような極端な高給を売り文句にしている求人には注意が必要です。
ブラック企業の見分け方2.理由の無い大量採用には裏がある
求人票に大量採用と書かれている場合も用心しましょう。何故大量採用するのか、理由が見つからない場合はブラック企業の可能性が高くなります。
ブラック企業は離職率が高いです。それには幾つか理由があります。
- 過酷な労働を強いる
- 過度な残業や、サービス残業がある
- 給料が安い
- パワハラやセクハラが横行している
など、まだまだ理由は尽きません。このような労働環境で働いていると離職率が高くなるのも頷けるでしょう。結果的に慢性的な人手不足に陥る為、多めに人材を確保しておくのがブラック企業の特徴となります。
大量採用だから就職しやすいはず!と飛びつく前に、何故大量採用するのかを確認しましょう。
ブラック企業の見分け方3.未経験者歓迎はブラック企業のカモ
ブラック企業は未経験者を歓迎しています。それは知識がある人材を採用した場合、クレームを言われる可能性があるからです。未経験者や社会人として経験が少ない方は、解雇を恐れます。そのため会社の言いなりで仕事を続ける事になります。ブラック企業は未経験者の弱みを熟知しているので気をつけましょう。
また、社会経験が少ないと今の労働環境が普通だと思い込んでしまいます。これは企業にとっては願ったり適ったりの最高の状態と言えるでしょう。安い給料で毎日サービス残業をする事になり、身も心もボロボロになります。しかし企業は保障してくれません。
未経験者大歓迎!という求人はブラック企業の巧妙な罠です。精神的に追い詰められ可能性があるので応募する際は企業をしっかりと調べ上げる必要があるでしょう。
ブラック企業の見分け方4.ノルマ無しの甘い言葉はブラック企業の常套句
営業職の求人に良く見るのが、ノルマの無い事を強調しているものです。営業経験がある方ならお分かりかと思いますが、ノルマがない企業は存在しません。企業は利益を上げる義務があります。その為ノルマとは言わずに「目標」と言う形で今も残っているのです。
目標は会社に所属している以上必ずある事なので、なんら不思議ではありません。しかしブラック企業はその「目標」が無い事を強調して求人しているのです。
ノルマは無いが「目標」は当然あります。ノルマが無い事が目当てで集まった人材は、過去に厳しい目標に悩まされた方が殆どでしょう。しかしその厳しい目標に耐えてきた方は優秀な営業マンだと判断できます。
ブラック企業は目標をノルマと言い換え、優秀な営業マンを囲いこもうとしているのです。ノルマは無いが厳しい「目標」があるのが営業系のブラック企業と言えるでしょう。
ノルマ無し!の甘い言葉に騙されないように求人票を隅から隅まで見ることが大切です。
ブラック企業の見分け方5.残業代の不払いに注意
残業無しの求人にも疑いの目を向けましょう。これも営業系の求人に多いキャッチコピーですが、残業のない営業職はほぼ皆無といっても良いでしょう。それは何故かというと、営業はお客相手の職種です。もちろんお客も仕事をしているので、仕事が終わるのを待つ必要があります。その為業務時間内で仕事を終えるのはほぼ不可能となるのです。
それでも営業職の求人で残業無しを強調しているのは、みなし残業を採用しているからです。
みなし残業とは
あらかじめ残業代が給料に組み込まれている事をみなし残業と言います。例えば10時間分の残業代が給料に組み込まれていた場合は1時間しか残業をしなかった場合でも10時間分の残業代がキッチリ支払われます。10時間以上の残業があった場合、超過分の残業代も支払う義務があります。
みなし残業は正しく使用された場合は良いのですが、ブラック企業の場合はこれを残業なしと主張してきます。
残業をするのもしないのも本人の自由、として企業としての責任を逃れているのです。酷い企業になるとみなし残業を超過した分を支払わないケースもあります。みなし残業代を払っているのだから超過したのは自分の責任、という主張をして社員に責任転嫁をする横暴な企業も存在します。超過分の残業代を支払わないというのは違法行為なのでしかるべき対処を取りましょう。
残業無し!の求人はみなし残業かどうかをチェック。超過分の残業代も支払われるかの確認もしましょう。
ブラック企業の見分け方6.ハローワークでブラック企業の情報を収集
就職活動中の転職者が多く利用するハローワークですが、ブラック企業かどうか見分ける事にも活用できます。
ハローワークは全国各地にある、就職を支援してくれる施設です。全国にある為地域に根付いた独自の情報が蓄積されています。企業が求人を掲載する場合も無料なので多くの企業が利用しています。その為、良い噂や悪い噂など様々な話が聞けるので就職する際のブラック企業を見分ける事にも活躍してくれるでしょう。
就職先を探しているけどブラック企業で働くのは嫌だ、と言う方は一度ハローワークへ脚を運び相談してみましょう。希望条件にある就職先も見つけてくれるので求職者にとっては強い見方となります。
ブラック企業の見分け方7.企業の意図が感じられない圧迫面接はブラックの可能性が高い
採用試験の面接も企業によってバラエティに富んだ方法が取られています。個人面接や集団面接、面接者同士で決められたテーマについて話し合うグループディスカッションという面接方法もあります。
その中でもブラック企業かどうかを見極める必要があるのは圧迫面接です。面接官の意図が伝わる圧迫面接であれば良いのですが、中にはただ応募者を威圧するだけの面接官がいます。これは面接とは言わず、ただのパワハラに当たります。
このような企業は入社してもパワハラが横行していて相当なストレスを受ける可能性があります。企業に意図があるかどうかの判断は難しいですが、それでも場数をこなすと判断がつくようになります。そのような圧迫面接にあった場合は、たとえ内定があっても辞退する事も視野に入れると良いでしょう。
ブラック企業の見分け方8.雇用契約書の有無で見分ける
ブラック企業は労働条件が曖昧です。何故曖昧かと言うと企業が雇用契約書を書かせないからです。雇用契約書がないので実は会社に所属していなかった、という事が後から発覚するケースもあります。また、これは退職時に企業が不利にならないように後から変更が利くよう入社時には書かせない、という企業の意図もあります。
雇用契約書が無いので過酷な労働を強いられていても、企業は一切の責任を負う必要がなくなります。企業はいかに働く側に責任を押し付けるか、不利な条件で働かせるかを考えています。
就職するときには雇用契約書の有無、そして契約書をしっかり読んでからサインしましょう。
ブラック企業の見分け方9.インターネットやSNSを活用する
近年ブラック企業の認知度が高まっています。ブラック企業をランキングして大賞を決める「ブラック企業大賞」という企画もあるほどです。それほどまでに問題視されているブラック企業ですが、就職しない為に情報収集をするのが必須といえます。
インターネットで情報を集める事も有効な方法です。有名なブラック企業ともなると特設ページもあるので、情報には困らないでしょう。また、SNSを利用すると実際に働いた事がある方の、生の声を聞く事も可能でしょう。ブラック企業で働かないためにできることは何でもするのが被害に遭わないための心がけと言えます。
しかし、インターネットやSNSを使って情報収集をする時に注意する事があります。それは嘘か本当かの判断が難しい所です。嘘の情報でも平気で拡散するのがネットの世界の常識です。その為、情報を全て鵜呑みにするのは危険と言えます。
嘘か本当か判断するのは自分なので、情報を見極める力が必要と言えるでしょう。
ブラック企業で働いている方は転職を考えましょう
今の仕事がブラック企業の場合、一刻も早く脱出しましょう。体を壊し、鬱になっても企業は責任を取ってくれません。自分の身は自分で守る必要があるのです。
きつい労働環境や理不尽なパワハラ、無理のある目標など上げるとキリのないブラック企業の特徴ですが、自分で判断がつかない時は必ず誰かに相談しましょう。就職してからでは手遅れになる可能性もあります。
今回紹介したブラック企業の見分け方を参考にして、被害に遭わないように細心の注意を払って見極めましょう。