転職先の条件は何を重視?優先順位や決め手を15人に調査
転職先の条件を転職経験者に聞きました。転職先の条件や優先順位を明確に決めておかないと入社後のミスマッチが起こる可能性があります。給料アップ・良好な人間関係・残業がなく定時退社であるなど、自分が転職活動の際どのポイントを重視して求人選びを進めていくか、しっかり決めておきましょう。
転職の条件は何を優先して選ぶ?
転職先を決めるときの条件やその優先順位は人それぞれです。全てを満たした企業を探すのはなかなか難しいものですが、その条件がブレることなく会社選びができれば、転職活動が失敗することはないでしょう。
転職先に求める条件について、過去に転職活動を経験した15名に調査を行いました。これから転職を検討する方は、求人を絞り込む際のヒントにしてみてください。
転職の条件を明確にする重要性
離職を決意する理由は十人十色ですが、転職前には条件の優先順位をしっかりと整理しておく必要があります。
中には「この会社を辞められるならどこでもいい!」と転職を試みる方も少なくないでしょう。しかし、「焦って求人を探して、内定が出たからといざ入社したら全く自分の希望にそぐわない職場だった…」というケースはそう珍しくありません。
こうしたミスマッチを防ぐためには、自分が転職先に最も求めている条件は何なのか、そのうちどれを最も優先すべきなのか、できるかぎり時間をかけて吟味することが大切なのです。
転職の条件いろいろ
今回のアンケートで転職の条件として主に挙げられたのは、以下のような内容です。
- 給料
- 希望職種である
- 家から通える距離
- 残業がない・定時退社である
- 人間関係が良好で職場の雰囲気がよい
- 福利厚生が充実している
- 女性が働きやすい職場
- 交通費全額支給
- 休日日数
転職先に求めるものとして多くの人が挙げたのは、やはり金銭面での条件です。「前職よりも年収アップを狙いたい」「最低でも今の給与と同じかそれ以上」と目標を定めて決めている方がほとんどでした。
給料に次いで転職後も同じ職種で働けるか、残業が少なく定時退社が可能か、家から通える距離かどうかといった条件を重視する方もやはり少なくありません。
また今の時代、共働きもワーキングマザーとして働くことも当たり前となっています。女性の場合は今後の結婚や出産、育児等を考慮し、子育てに理解があり女性が長く働ける職場であることや転勤がないことを優先する方もいました。
転職先を決める上での条件は?15人にリサーチ!
転職活動中、転職先に求めた条件やその優先順位についてビジネスマン15人に回答していただきました。
満足のいく転職活動ができた方
転職をしてよかった話
ゆう(30歳 医療系)
私は医療系に従事しており転職先も医療系です。転職のきっかけとしては上司とそりが合わなかったこと、待遇が悪いことがあります。そのまま職場に留まっても将来の収入に不安もあり、上司とも合わないためストレスがものすごかったため転職を決意しました。
転職先に求める条件として一番重要だったのは収入です。前職場は仕事内容の割には給料が低く、昇級もほとんどなかったためです。
二番目に重要な事は福利厚生です。前職場は有給も使わされず使おうとするとすごく嫌な目をされていました。
三番目に重要なのは職場の雰囲気です。上司とそりが合わなかった経緯があり、仕事以外に余計なストレスを受けたくなかったからです。
今の職場はそれら全てをクリアしており、とても満足しています。
仕事もプライベートも充実
クロック(27歳 営業)
前職では不動産関係の仕事をしていましたが、転職後は食品関係の企画営業に携わっています。前職の仕事内容は特に嫌いではなかったのですが、とにかく仕事量が多く深夜まで毎日残業しており、休日もやり残した仕事を片付けていました。
もっとプライベートの時間が欲しいと感じ現在の会社に転職しました。転職にあたり、1番大切にしていた条件は休日日数です。前職は年間休日数が100日くらいと少なかったのでしっかり休みが欲しいと思いました。
2番目の条件は残業時間が少ないことです。会社が残業をしないように努めている方針の会社に勤めたいと感じました。
最後の条件としては年収が前職を下回らないことです。プライベートを充実させるためにも年収を下げたくないと思いました。
転職後の職場の雰囲気はとても良く、仕事内容にもやり甲斐を感じているため満足しています。
結婚を機に家庭を重視できる仕事に転職
あゆみ(31歳 事務職)
前職は金融機関の営業でしたが、結婚を機に家族を優先したいと思い、金融関連の商社の事務に転職しました。
転職先を選ぶ時に一番譲れなかった条件は転勤がないことです。主人が都心勤務なので、単身赴任などのリスクは絶対排除でした。
定時退社が可能なことも転職先の条件のひとつです。結婚当初はまだ残業できましたが、子供ができた時のことを考えてしっかり定時退社を主張できる会社を選びました。
最後の条件が、女性が多い職場ということです。家事や育児と両立するために、経験や理解のある女性がいる職場を希望しました。
転職して2年経ちますが、家庭重視の条件にこだわったおかげで家事も育児も両立できています。とても働きやすい職場に転職できてよかったと思っています。
転職先は賞与ありサビ残なし人間関係良好な職場
hy5241(30歳 介護職)
私は約2年前に同業種の仕事に転職をしています。転職のきっかけとしては時間的な余裕がなく精神的に参っていたことと、人間関係に行き詰まり環境を変えたいと思ったためです。
実際に転職先に求める条件としては、金銭的な条件を考慮しました。特にこの業界、職種は賞与の面でもらえない事業所や、時間外の手当てがつかないことも多いので気にしていました。
なかなか面接時などに聞くことは難しいのですが、時間的なものも不安定であるため、どの程度サービス残業が必要なのかも気にしていました。
また、退職者が多い事業所はどこかにグレーの点があるので、人間関係という点では退職率の面も注意が必要だと考えました。
これらのポイントを気にして選んだ今の会社は、比較的安定しているような気持ちで働いています。
転職先の条件3つ
りゃりゃ(30歳)
私は元々介護の仕事をしていて、転職して不動産屋の会社に入社しました。転職のきっかけとしては、人間関係と会社との考えの不一致です。「ここではずっと働くことはできないだろうな」と判断し思い切って転職しました。
転職する際の譲れなかった条件が給料です。一人暮らしをしていたのでそれをまかなえる金額でなければ困るため、給料はしっかりとチェックしました。
二つ目に一人暮らしの家から通えるところです。引っ越ししてまで仕事探しするとお金がかかるため、拠点を変えずに仕事できるところを探しました。
三つ目に休暇などの福利厚生です。きちんと休みがもらえるか、残業がどれほどのものなのかについてはよく調べました。
今の会社はいい人ばかりで自分が成長できる環境にあり、とても満足しています。
転職先に求める条件
まーたむ(27歳 医療事務)
前職はクリニックでの医療事務をしておりました。現職も前職と変わらず、クリニックでの医療事務をしています。
家族の転勤の都合で、県外へ引っ越さなければならず転職しました。転職をする上で、前職と同じ医療事務の仕事であることは絶対条件でした。
あとは、福利厚生がしっかりしているところであること、自宅から通いやすい場所であることを条件に仕事を探しました。同業種の仕事であれば、前職での経験を生かせる部分があると思いますし、経験があることで職が決まりやすいと思ったからです。
福利厚生がしっかりしているところは安心できるので、給料で決めるよりも福利厚生がどれだけしっかりしているかを見るようにしました。
また、天候によって通勤手段を変える場合も考え、自宅から何を使って通勤しても通いやすいようなところを視野に入れました。
転職活動の結果、ほぼ自分の理想に合った転職先に就けて満足しています。人によって様々な希望条件があると思いますが、重要する部分と妥協できる部分をしっかり決めた上で職探しをすると楽だと思います。
転職では職種・アクセス・交通費支給を条件に探しました
あき(36歳 医療関係)
前職で歯科助手として働き、現職でも歯科助手として働いています。転職理由は前職の院長と診療方針が合わない事、理不尽な要求をしてくる事がとてもストレスだったので転職しました。
転職するにあたって絶対譲れなかった条件1位は歯科助手として勤務する事でした。私はこの仕事が大好きなので歯科業界以外での仕事は一切考えていませんでした。
条件2位は自宅から車での通勤30分以内です。田舎に住んでいるため、交通手段は車しかないのですが通勤に30分以上かかると疲れが出そうだったのでこれも譲れない条件でした。
条件3位は交通費全額支給です。先程も書きましたが車通勤なのでガソリン代がかなりかかります。交通費に上限があると仕事に行くだけでマイナスになりそうなのでこの条件も大事でした。
私にとってこの転職は非常に満足のいくものでした。仕事に対するストレスがなくイライラする事が一切なくなりました。現職の院長との関係性も良好なので、仕事にとてもやりがいを感じています。
同じ業界での転職
ハイネ(23歳)
前職は空港、国際線にてグランドスタッフをしていました。2年前に旅行会社へ転職し現在に至ります。
旅行会社の仕事にもいろいろあると思いますが、私は主に国際航空券の取り扱いを行っている部署に派遣社員として入社しました。
転職のきっかけはとにかく給料が安かったことです。昇給もたかが知れているので、将来のことを考えると長く働くメリットがないと感じたからです。仕事自体はやりがいはありましたが、将来のことを考え転職に踏み切りました。
転職先で1番重要視したのはお給料です。お給料が原因で前職を辞めたので、前職よりも給料が良いことが大前提でした。
2つ目は同じ分野の仕事であることです。グランドスタッフになるため専門学校にも通っていたので、それが無駄にならず、経験を活かせる仕事につきたかったからです。
3つ目は職場ですが、これについてはそこまでこだわってはいませんでした。実家から通える範囲であれば良いと考えていました。
もともとずっと続けるつもりもなかったので、あと数年したら転職しようとは考えておりますが、人間関係も悪いことはなくお給料の面でも納得しているので後悔はありません。
人に恵まれた転職に感謝
あんこ(30歳 貿易関係)
前職は建築関係の営業職、現在は貿易で商業・引っ越し貨物の営業職をしています。 私の場合は前職が嫌でやめたわけではなく、家庭の事情で退職し、転職までの間に時間がありました。
年齢も年齢なのであまりこだわりすぎると採用してもらえないのではという懸念もありましたが、 自分の今まで重ねてきた経験には自信を持つべきですので、転職先の条件としては相応の給与、希望職種、勤務地にこだわりました。
特にボランティア活動をしており、その地で活動を重ねてきてだんだんと軌道に乗ってきたので勤務地は外せないポイントでした。
実際に転職をしてみて、給料は自分の希望していたものより低くなってしまいましたが、希望職種で勤務地も希望通りのポジションを手に入れました。
また上司や先輩方は、社内であっても丁寧なお話をされる気遣いある方の集団で本当に尊敬できる方々です。
額面は低いのですが一緒に働く方は選べません。お金の代わりにいい人々に囲まれてお仕事ができることにとっても感謝しており、本当に恵まれた転職をしたと感謝しています。
少々不満が残った・後悔がある方
恵まれた環境
リラ(30歳 福祉関係)
大学を卒業してすぐ福祉関係の仕事に就きました。社会人初めての仕事は福祉関係のハードな仕事で、年の近い同期や先輩たちに囲まれ毎日楽しく仕事をしていましたが、利用者様との関係、関わりが辛くなり2年ほどで退職しました。
福祉から離れようと思いましたが、違う職種に対して目を向けることができず、その後も同じ福祉関係の仕事に就きました。
転職先を探す上で重視した条件は第一に職場環境、その次に仕事内容です。金銭面はあまり考えていませんでした。
辛い福祉の世界で何とか頑張ってこられたのも、先輩や同期に恵まれた環境だったことが大きいので、職場環境に重きを置きました。今の職場は社内の環境もよく、仕事も上手くいっています。
ただ文句を言うなら、給料面での不満があります。手取りが少ないだけでなく、住民税の支払いなどは会社では行なっていないので、結局毎月出費が増えています。
社会保障なども、きちんと調べた上で転職すれば良かったなと今では後悔しています。
条件だけでなく働き甲斐も考えて
3月(36歳 非常勤講師)
前職はIT事務、現職は日本語の非常勤講師をしています。
IT事務の前はSEをしており、SEが夜勤や長時間勤務が多く働き方を変えたいと思って転職をしましたが、IT事務も長時間勤務でかつ眼精疲労がひどく、転職を考えるようになっていました。
外国人と関わる仕事をしたいと思うようになり、ハローワークで日本語教師の養成講座の募集が始まるのを知ったことをきっかけに、退職を決意しました。一度養成講座で学習をしたのち、その養成講座が開講されていた学校に就職をしました。
転職先検討の上で譲れない条件として、長時間勤務ではないこと、通勤時間が1時間未満であること、女性が働きやすい職場であることです。転職をしても働きやすい職場であることを重視しました。
また、家庭の充実を図るために、通勤時間・勤務時間が長すぎないことも条件としました。
運営については、会社でのルールからかけ離れており満足できていないですが、学生と接しているときは、難しい点ばかりではありますが楽しく感じる時もあり、総合的に見て大きな不満はないです。
やっぱり定時上がりがいいです
グッチ(29歳 事務)
前職はアミューズメント施設の運営部として正社員で働いていました。平日は朝10時オープン、土日は24時間営業でしたのでシフト制であり土日休み・長期休み(お盆・年末年始)はほぼありませんでした。
大学卒業して7年勤務していましたが、40代になってもこの仕事を続けるのかと考えた時に続けられないと思い、転職を決意しました。現在はショッピングセンターの事務で派遣社員として働いています。
転職する時に考えていた条件は残業なしで上がれることです。前職は残業で帰るのが遅くなり、疲れて食事もしなかったり、休みの日は睡眠で時間が潰れていました。外食・買い食いが多くなり、結婚してからは夫に申し訳なく感じていました。
また、デスクワークである程度自分のペースで仕事ができることも重要でした。前職は事務所で作業をしていても、休憩中でもトラブルやお客様から呼び出しがあれば現場に出ていました。
定年まで働き続けたいと思っていたので長く続けられる職業であることも条件でした。
現職はこれらの条件を全てクリアしていますが、やっぱり正社員になりたいという気持ちもあったので、もっとゆっくり考えて転職すればよかったと少し後悔しています。
転職について
びずりーち(27歳)
前職は広告代理店で営業事務、現職は建設業で一般事務をしています。転職のきっかけはクレームが多く精神的に限界で、電車で涙がとまらなくなり「もう無理だ」と思ったからです。
譲れなかった転職の条件は、クレーム対応がない仕事であることが第一で、残業がなく、安定して働けそうな会社であることでした。ゆくゆくは結婚、出産したいと考えていたので、出来れば家庭と両立しながら長く働ける仕事につきたいという気持ちが強かったのです。
ただ、実際に転職してみたら、クレーム対応は滅多にありませんし、残業も多くはありませんが、やりがいの部分を無視していた為満足できませんでした。やはり興味がない分野だと学ぶことも大変だし辛いので、そこも自分にとっては重要だったんだなと気づかされました。
夢の職種への転職
あおい(24歳 サービス業)
私は服飾専門学校を卒業後、販売職のアルバイトでフリーターとして好きな事をしながら過ごしてきましたが、数年間働き慣れた仕事を退屈に感じたのと、年齢的にも正社員として働きたいと思い転職を決意しました。
せっかく転職をするのだからにはやりたかった職種に就きたいと思い探し始めました。転職時に探した絶対条件は未経験可、年間休日120日以上、交通費全額支給の3つです。
デザイナー職を希望していたのですが、未経験者を雇ってくれる企業はほとんどなく、求人を探すのに苦労しました。
さらにその少ない企業の中から年間休日が120日を超えている企業は数件だけ。でも、旅行好きな私にとっては、お給料が多いことよりも年間休日が多いことの方が重要で、それだけは絶対に譲れませんでした。
転職時都心に住んでいなかった私には都心に通う交通費は大きな額でした。そのため通勤時の定期代を全額支給してもらえるということは現実的に考えて重要な条件でした。
奇跡的にも少ない求人の中から夢の職種へ転職できた私ですが、労働条件は悪く求人情報とは異なっている部分が多く、採用されたいという気持ちから面接時に聞きたいことも聞けなかったからだと反省しています。
条件の絞り込みも大事だけど…
優希(24歳 運送業)
介護職(社会福祉法人)から事務職(運送業)へ転職しました。「思ったよりハードワークで、その割に将来性が薄い」というのが、私が転職を決めた理由です。
前の職場では人間関係がしんどくて辞めてしまったため、転職する上で一番譲れなかった条件は、人間関係が良好であるということです。
2番目は健保や健康診断などの福利厚生が充実していることです。こちらも、介護のお仕事をしている時は 健保に加入できず、健康診断も自腹で払ったことから譲れない条件でした。
3番目は、スキルが身に付くことです。「介護以外何のスキルが身に付かないというのは、将来が少し不安では」という気持ちが、介護の仕事をしている時に常にあったためです。
以前より格段に待遇の良い会社に入社でき、思い切って転職をして良かったと思っています。…が、事務に関する資格を取っておけば、もっと良い待遇の会社に入社できたかも?その点だけ少し後悔しています。
転職の条件は交渉可能なことも
中にはどれか満たしていない条件があっても、「この条件さえクリアしていれば…」と感じる会社が出てくることもあるでしょう。
その場合、気になることは面接で質問してみるのもアリです。年収などについては何となく質問しづらく感じてしまいますが、自分のスキルを裏付ける根拠を上手く伝えられれば、ある程度応募者の希望を考慮してくれる場合もあります。
企業によっては内定前後に条件面談の場を設けてくれるところもあります。その際にはしっかり自分の希望を伝えましょう。