未経験の仕事への転職を成功させるポイントは?体験談15
未経験の仕事に転職を検討する方は多いもの。未経験者歓迎の求人も少なくありませんが、その場合、経験者と比べるとどうしても内定に至るまでの道程が長くなりがちです。どんなアピールが功を奏したのか、未経験で転職を決めた社会人15名の体験談を参考に、転職成功の秘密を探ってみましょう。
未経験での転職活動を成功させるには?
自分が経験のある仕事への転職であれば少なからず有利にはなりますが、未経験の仕事に転職するとなると、書類選考や面接で落とされることも少なくありません。
もちろん中には未経験者歓迎の職場もありますが、給与面など自分の希望する条件に合った求人がそうそう見つかるのか、という問題もあります。
社会人15名の成功エピソードから、未経験の業界・職種への転職活動を成功させるためにどんな対策をしたのか、どんなことをアピールし強みとしたのかなどを参考にしてみましょう。
未経験の仕事への転職活動期間はどれくらい?
未経験職への転職活動が終わるまでの期間については、以下のような結果となっています。
- 1ヶ月・・・2名
- 2ヶ月・・・3名
- 3ヶ月・・・5名
- 4ヶ月・・・1名
- 半年間・・・4名
働きながら転職するか、現職を退職してから転職するかなど個人差はありますが、未経験の仕事であっても15人中10名が3ヶ月以内に内定を決め、転職活動を終えています。
最も長い方であっても、少なくとも半年以内には転職先を決めているという結果となりました。
転職活動はスケジュールを決めて行うのがベスト
転職活動をダラダラと長く続けていると、「やっぱり今のままでいいや」と転職へのやる気ダウンにつながります。
今の職場にそこまで不満がないのであれば問題ありませんが、もし転職を成功させたいのであれば、求人の絞り込みから内定、後任への引き継ぎまで、転職スケジュールを綿密に立てておくのがベストです。
未経験の仕事への転職であれば、企業研究や業界研究の時間は多めにとっておくと安心です。「〇ヶ月以内には転職先を決める」「そのためには、〇月までには条件に合った求人を絞り込む」など、具体的に期間を決めましょう。
未経験職への転職では何を強みとすればいい?
未経験の仕事となると、転職活動中の面接や履歴書などの応募書類においても何をアピールすべきか悩む方は多いものです。
新卒の就職活動においても言えることですが、まずは自分を改めて知ることが大切です。書籍やネット上のツールなどを用いて自己分析を行い、自分の性格や得意なことなどを全て洗い出しましょう。
前職での経験からもアピールポイントは見つけられる
未経験の仕事に就く際には、「今までの経験で活かせることなんて何もない」と思ってしまいがちですが、前職の経験も大切なアピール材料となります。
「細かい作業が得意です」「ルーティンワークでも絶対にミスをしない」など、仕事への取り組み方や姿勢をアピールしたりと、伝え方を工夫すれば未経験の仕事にも結び付けることが可能です。
また、今回の調査ではチャレンジ精神をアピールしたという方も多くいます。未経験の仕事への転職という、大きなチャレンジを実行している人だからこそできる自己PRです。前職でのエピソードを上手く交えながら伝えるとより説得力が高まるでしょう。
未経験の仕事への転職活動をした15人の成功談
未経験の仕事に転職したという社会人から、当時未経験での転職活動で苦労したことや成功の秘訣について聞いてみました。
転職活動期間が1ヶ月の方
SEから事務職への転職
ちょこぱい(33歳 事務職)
私の転職活動は2016年2月~3月の1ヶ月です。SEから事務職へ転職しました。転職理由としては、納期に追われ深夜残業や休日出勤が多く体調を崩すことがあったので、定年まで安定して働ける職に就きたかったからです。
転職活動は10社ほど受けましたが、内定をもらえたのは1社のみでした。事務職で、募集人数が1、2人という所はどこの会社も即戦力を求めており、私の様に知識も資格もない場合、面接までも進むのが難しかったです。
今の会社で受かった理由を、面接をして頂いた上司に聞いたところ、コミュニケーション能力がありそうだったからとのことでした。当たり前のことですが、面接で笑顔でハキハキと受け答えをしたのが良かったのかもしれません。
ネットワークエンジニアへの転職
ねね(43歳 SE)
私が未経験のネットワークエンジニアに採用されたのは2006年のことです。ネットワークエンジニアになろうと決めて転職活動をしたわけではありませんが、この仕事を探す前、私はオーストラリアへ留学に行っていました。
お金を使い果たして帰ってきましたので、少しでも有利に転職活動が進むよう、ライバルが少なめであろう英語を使う仕事を探したのです。
最初に面接に行った会社で決まりましたので、受けた会社も内定した会社も1社で、期間も1ヶ月程度でした。業界は未経験でしたが、職場が家から近く、ネットワークと英語を使う点に興味を持ち、この仕事を選びました。
私が留学へ行く前はヘルプデスクで働いており、パソコンなどの知識がありました。転職活動で大変だったのは面接での質問の答えを考えることです。何を質問されるかわからないので、とにかく業界の知識を身に着けなければなりませんでした。
強みになったのは、パソコンの知識と英語に抵抗がないこと。転職活動成功の秘訣は、面接で未経験の業界だからと引かず、自ら相手に気に入られるように仕向けたことだと思います。
転職活動期間が2ヶ月の方
営業から経理へ転職
きのこ(30歳 事務職)
約4年間食品メーカーの営業職として働き、結婚や子育てを意識したときに今のままでは理想の働き方ができないと思い退職しました。多忙な環境で働いていたため、3ヶ月程自分へのご褒美として海外旅行などを楽しみ、その後未経験の仕事への転職を検討し始めました。
退職して時間があったこともあり、転職活動期間は2ヶ月程度です。同業界に嫌気がさしていたことと、自分に確固たるスキルが欲しいと思ったことで、転職先は未経験の業界、職種を選択しました。4社ほど受け2社から内定をいただいたところで、残りの2社は選考辞退しました。
どこの会社でも聞かれたことですが、なぜ未経験のこの業界・職種なのかを深く掘り下げられたことが大変でした。業界が違うため前職での職務履歴はほどほどに、自分の人となりを評価してもらおうと素直に退職理由、転職理由を伝えたため転職が上手くいったのだと思っています。
全く未経験の職種でスキルアップが実現
nono(33歳 事務職)
とにかく以前勤めていた金融機関の職種が嫌で、全く異業種の仕事を探していたのですが、在職中に探しており退職しても切れ目なく働きたかったため、退職日を決めた頃から約2ヶ月程度で就職活動を行いました。
1番気になった会社は未経験でも雇ってくれるIT企業の求人です。パソコンが全く触れなかったため、自分のスキルアップにもつながると思い、IT企業の仕事を選びました。受けるのはその1社だけに絞りました。
就職活動で1番大変だったのは、今までのスキルが生かせないためどのくらいやる気があるのかを相手に伝える必要があるということ。とにかくその会社のことについて調べました。
また、異業種ではありますが、前職で培った仕事のノウハウを生かせることも、上手く伝える努力をしました。
金融機関からの転職はあまり例がなかったようで、それを逆手にとって金融機関で培っていた仕事ぶりを発揮できるように伝えたのが、他のライバルにはできなかった強みだと思います。
転職への第一歩
りゃりゃ(30歳)
未経験職への転職活動をしたのは2ヶ月程度です。正社員としては未経験ではありましたが、アルバイトで少しだけ経験があった仕事で、「楽しそうな仕事だな」「新しい分野で仕事してみたいな」と思ったのがきっかけです。
転職活動した際には全部で2社受けて、2社目の会社に内定しました。
転職活動で苦労したことといえば、入社したらどのようなことがしたいかなど聞かれてもなかなかすぐには答えられなかったことです。確かにアルバイトで少し経験はありましたが、深くは関わっていなかったのでわからないことの方が多かったからです。
でも、そのなかでも「これだけはやってみたい」という内容を伝えて、自分なりに意欲を伝えられたのではないかと思います。やる気だけはあったので、その気持ちをしっかり伝えられたことが、未経験の求人に採用してもらえた理由ではないかと思っております。
転職活動期間が3ヶ月の方
未経験だからこそ挑戦したい気持ちを持って
SOUSO(30歳 事務職)
ブライダル業界から、全く未経験の事務職への転職を経験しました。1月から3月まで、転職活動は約3ヵ月です。
ブライダル業界はサービス業ゆえに、福利厚生があまり充実していないように感じたことから、今後のライフプランを考えたときに、福利厚生のしっかりしている事務職への転職を希望しました。3社面接を受け、その中から1社内定をいただきました。
未経験だからこそ、「なぜ未経験の業界への転職を希望したのか」を面接官に突っ込んで聞かれました。その答えを明確にしておくことが難しかったですが、「未経験だからこそ、チャレンジしてみたい」というチャレンジ精神を全面に出していくことで転職活動も成功したのだと思います。
不安との戦い
どどど(25歳 営業)
2017年の2月下旬から3ヶ月ほど職探しをしていました。前職は小売業でしたが、うまくサボっている人と給料が同じであることや、体調が悪くても休めないことに不満を感じて転職を決意しました。
不満を解消できる業種を探した結果、今の歩合制の率が高い営業に落ち着きました。新卒時代に真面目に就活しなかった後悔から、業種を選ばす条件をクリア出来ている会社にひたすらエントリーシートを提出していきました。
事務、編集業、運送、フィットネスのトレーナー、広告代理店などがあったと思います。40社ほど書類を送り、面接に至ったのは30社、内定は建設と広告代理店と保険の営業の3社でした。
短期で退職してしまったのでその点への追求は厳しかったです。またすぐ辞めるだろうと思われているのは感じたので、どう信用してもらうかで苦労しました。
意識した点は、前職の悪口は絶対に言わないこと、自分のためにも下調べは入念に行うこと、その業種で働いている人に聞いてみる事も重要だと思います。
これといった強みはなかったので、質問には答えを使い回しせず素直に答えるようにして、人柄を見てもらえるよう努めました。
28歳で未経験の分野に初めての転職
ひろの(30歳)
金融機関の窓口の仕事をしていましたが、営業力が求められる仕事だったため、六年勤めて転職を決意しました。有給を1ヶ月消化し、その期間とあわせて転職までは3ヶ月ほどかかりました。
10社以上応募したものの、面接までたどり着いたのは2社、そのうち受かったのは1社です。現在はIT系の事務の仕事をしていますが、もともとIT業界を志望していたわけではなく、とにかく事務職に絞って活動した結果受かったという形です。
未経験でExcelなども普段使用していなかったため、アピールポイントが少なかったのですが、金融事務のため、細かい事務作業が得意であることや、少人数の店舗で働くため幅広い業務を覚えることができ、新しい仕事を覚えることも得意だと伝えました。
未経験でも事務職という分野であればルーチンワークが苦手でないことや、真面目に仕事に取り組む姿勢をアピールするとうまくいくと思います。
塾講師への転職
ヤマネコ(49歳)
新卒時は、縁故採用された会社で経理配属、のちに業務改善コンサルの仕事を経験し、経営側の視点を早くに理解したことがきっかけで起業に関心を持ちました。
結婚後、何か始めたいと思い自宅を使っての塾経営を考えましたが、まずは、教育産業を覗く意味も含め、塾講師にトライすることにしました。3ヶ月間で5社受けて2社から内定が下り、通勤が便利な方に決めました。
未経験職種への転職は、そこに至る流れが自然であることが大事です。私の場合は、納得してもらいやすい理由でしたが、果たして、塾講師が務まるのかを証明するために、数検、英検などの資格を補助的に活用しました。
また、接客や教えるスキルを証明するために、ボランティア歴や社内教育の履歴を使いました。転職をして自分のキャパが増えたこと、勇気を出せばそれだけのものが返ってくることを実感しました。
未経験の仕事でもやる気と熱意が大事!
あか(34歳 事務職)
新卒ではいった人材派遣会社で2年働き、3年目の春から夏の3ヶ月間、未経験の不動産業界に転職活動をしました。
未経験である不動産業界に転職をしようと思ったのは、もともと建築やインテリア、資金計画などに興味があったからです。また、インセンティブもしっかりつき、頑張れば頑張った分しっかり評価してくれるのではと思ったのも理由のひとつです。
転職活動では4社受け、そのうち2社から内定をもらいました。未経験の仕事への転職は、面接などで不動産業界の知識や経験などを聞かれた際に、周りの経験のある人たちは色々アピールできていましたが、なにも答えられなかったことが大変でした。
ただ、全く知識や経験がない分、先入観や失敗する恐怖などがないので、吸収率と行動力は長けているということを面接で自分の強みとしてアピールしました。
転職活動期間が4ヶ月の方
未経験職種への転職
ろみ(37歳)
営業職から経理職への転職活動を4ヶ月ほど行いました。営業職自体は楽しいこともたくさんありましたが、自分の性格には向いていなかったことと、学生時代、簿記の勉強をしていたこともあり、長く楽しく自分の得意なことを武器に働く環境にしたいと転職を決意しました。
ターゲットにしていた第2新卒OK、かつ、未経験者OKの会社を10社ほど受け、2社から内定をいただきました。
転職活動時に苦労したことは、先に仕事を辞めてしまっていたので、自分の焦る気持ちのコントロールと、交通費を捻出することです。
英語が使えるというスキルセットであったので、その点も強みとして活動をしました。現在勉強をしている内容、将来のキャリアプランと現在地も併せてアピールしていたことが成功につながったと思っています。
転職活動期間が半年間の方
未経験の仕事については
モモンガ(48歳)
未経験の仕事への転職活動期間は半年ほどです。前から興味があってチャレンジしたみたいと思っていたので、条件にあった企業探しから始めました。
面接を受けたのは1社のみで、その後すぐに内定が決まりました。
転職活動で大変だったのはその職種に関する最低限の基礎知識を覚えることでした。面接時に即答するよう心がけていましたので知識に関する書籍をたくさん読んだ記憶があります。
強みとしたことは「少しの事ではへこたれない」といったことを履歴書に明記し、面接時にもそれらを強調しました。成功の秘訣はやはりチャレンジ精神を強みに押し出したことではないかと思います。
企業理念に惹かれて1本に絞ってチャレンジ
どんぶらこっこ(42歳)
33歳の時に半年ほどかけて転職活動をしました。それまでやっていた仕事が嫌いだったわけではないのですが、何かもうひとつ自分の目指す形とは違うような違和感があり、最初の就職からちょうど10年目の節目に転職しようと心に決めました。
色々と調べていた時に、たまたま希望に近い業務を行っている会社があると知人から聞き、実際に自分でその会社のことを調べてみたところ、雇用条件ではなく企業理念に強く惹かれ、当時他に3つ程検討していた別会社への応募を全て辞めて、その1本に絞ってチャレンジをし、無事に採用してもらうことができました。
私の場合、未経験可の求人に応募したわけではなく、そもそも先方の基準を満たしていないというハンディがありました。そのため、最初は採用担当者に首を縦に振ってもらえなかったので、そこを突破するのが一番大変でした。
私も他の候補を蹴ってまでその会社1本に絞っていたので、とにかくその思いを諦めずに伝えたところ、先方にも興味をもっていただけて、面接にこぎ着けることができました。
やはり一度で諦めない姿勢と、その会社でなければという強い思いが功を奏したのだと思います。
未経験からの逆転転職
リョウ(28歳 運送業)
自分に合った仕事を、バイトをしながら約半年間探しました。やったことがない仕事を探そうと思ったきっかけは当時付き合っていた現嫁との間に子供ができたことが理由で結婚して養っていかなければならない覚悟を決め働き始めでも給料が高い運送業の会社に転職する事に決めました。
転職活動するにあたって、自分でどういう仕事の内容で労働時間なのか、家族を守ることができるのかをリサーチした上で、自分に合った所を探し、3社受けて全てに合格できました。
トラックの仕事は主に荷物を安全にその場所まで届けるのが仕事ですが、その場所に行くまでのルートが分からければ行くことはできません。道を地図で覚える事に苦労しました。仕事はまず基礎から入らないとどの仕事にしてもうまくいかないと思うので、まずはトラックの日常点検上司の話をメモるなどして、人の意見を取り入れ自分のスキルアップに繋げることを目標にしてきました。
知らないことでも諦めずに挑戦していけば、何でも成功できると思います。
企画運営から事務職へ
パイナップル(35歳 事務職)
私は2015年から半年かけて未経験職への転職活動を行いました。
もともと企画運営の仕事に就いていたのですが、仕事がハードで、終電近くなる日が続く時もありました。「年齢や、今後子どもを授かった時のことを考えたら、体力を使わず長く続けられる仕事がいいのでは?」と考え事務職を希望しました。
転職活動中は、5社受け、その中で内定をいただいたのは1社です。
大変だったのは、私が今まで企画運営という経歴から、そもそも事務はできないだろう、と門前払いされることでした。仕方がないので、経歴にこだわらず、その会社で自分は何に貢献できるか、事務職と言っても内外部との連絡調整もあると想像し、その中で、自分がどう立ち回れるかをアピールした結果、内定をいただくことができました。
面接では「あなたは企画という仕事で、身体を動かすような仕事をされてきましたが、今度は事務という一日中、座ってPCに向かう仕事になります。できますか?」と質問されました。その時、間髪入れずに「問題ありません。」と答えられたことも良かったのだと思います。
未経験分野への転職でも前職で培ったスキルなどを活かせることがある!
未経験分野への転職は、知識や経験がゼロで面接の準備などにも苦労する人が少なくありません。今回寄せていただいた体験談でも「やっぱり未経験での転職は体験だった」という声が多く聞かれました。
未経験だと面接の際に何もアピールできるものがないと思われがちですが、場合によっては前職で培ったスキルやノウハウ、また仕事に関すること以外の自身の経験などを活かせるケースもあるのです。
ここで紹介した体験談の中でも、転職活動をする前に経験した海外留学、未経験職ではあったものの英語を使うその仕事につくための強みの1つになった人がいます。
それまでの自分自身の経験の中で、アピールできる材料は必ずあるはずです。それを見つけて未経験の仕事への転職をぜひ成功させましょう。