派遣の時給アップのきっかけやタイミングとは?
派遣社員として働く上で時給アップはとても嬉しいもの。昇給のチャンスなんてそう簡単には訪れませんが、もし時給アップにつながることがあるなら試さない手はないでしょう。
実際に派遣社員として働き時給アップしてもらった方々から、派遣の時給アップのタイミングやきっかけ、上がる場合はいくらアップするのが相場なのか、派遣会社との交渉術を調査しました。今まさに派遣社員として働く方は、時給アップのための参考にしてください。
派遣の時給アップの相場は一度にどれくらい?
派遣の場合、一度で一体どれくらい時給をアップしてもらえるものなのかを調査したところ、最も多かったのは「50円アップ」という回答です。
大きく時給アップしたケースでは400~450円、100~200円といった声もありましたが、派遣社員の場合、現実的に望めるのは10円単位での時給アップということがわかります。
派遣で働き始めてどれくらいで時給アップする?
派遣社員として働き始めてどれくらいで時給がアップするのかについては、その派遣先や派遣登録先によって異なります。
今回の調査では最短で「働き始めて1ヶ月」、最長で「働き始めて3年目から」という回答が寄せられました。最も多いのは「半年から1年半の期間に一回目の時給アップがあった」という声です。ちょうど仕事に慣れ始め、会社の戦力となり得る時期に時給アップを検討してくれるケースが大半のようです。
派遣で時給アップのきっかけやタイミングは?
時給アップのきっかけやタイミングが何なのかという点も気になる部分ではないでしょうか。
仕事内容が広がったり変わったことをきっかけに、労働者側から派遣会社を通して上司に時給アップの交渉を行ったケースも少なくありませんが、基本的には「日々の頑張りを評価されて時給アップしてもらえた」という方が多い傾向にあります。
また、特にきっかけというものはなく、「半年ごとに給料についての派遣会社との面談がある」といったように、勤続年数に応じて時給アップのチャンスがある企業も少なくありません。
派遣社員に質問!時給アップはいつどのタイミングだった?
派遣社員を経験した方に、時給アップのタイミングや交渉した際のエピソードについて語っていただきました。
1ヶ月で時給アップした方
自分を守るために主張するべきことは主張しました
清川(36歳 物流関係)
派遣歴は数社合わせて6年程になります。大手ネットショップを運営している会社で派遣社員として勤務していた際に時給をアップしていただいた経験があります。
派遣社員は物流倉庫で入出荷業務(商品ピッキング、検品、梱包、他出荷準備業務)を行っていましたが、入社して1ヶ月足らずで事務室での業務を頼みたいとの要請が派遣先企業様からありました。
当時の入出庫作業での時給は1000円で交通費自己負担の条件で契約をしていたため、業務が代わるのであれば相応の給与にしてもらいたいと派遣会社の担当者に相談をしました。すると、すぐに担当者から派遣先企業に交渉をしてもらい、200円アップの時給1200円で交通費全額支給の条件で働くことになりました。
その際に改めて明確に自分の意見を派遣会社に伝えなければ条件変更の話はなかったため、主張すべきところは主張するという考え方が派遣社員には特に必要だと感じました。
現在は当時とは業種の異なる会社で勤務をしていますが、給与をアップするためには仕事のスキルアップはもちろんのこと、自分の主張を正しく相手に伝えることを意識しています。
3ヶ月で時給アップした方
時給アップは派遣先の上司次第です
meg(48歳)
正社員以外で働いたことはなかったのですが、それまでの仕事がいわいる裁量労働、仕事が終わらなければいつまででも働いて徹夜も当たり前。そんな中で見事に体を壊し、そこからは時間で区切られ働くのが自分の体にとってベストだと思い、派遣という働き方を選びました。
最初の派遣先は大手企業で、もともと時給はお高めだったのですが、最初の時給アップは3ヵ月後。一気に1050円から1100円にアップしました。
派遣という仕事を知らないだけに「そんなものか」と考えていたのですが、どうやらそうでもなかったということは今の派遣先で初めて知りました。1年経ってもなんの変化もなく、派遣は使えるだけ使って用がなくなりゃ切ればいい、それが普通みたいです。
最初の派遣先には9年ほどいましたが、勤務地の変更した時期には交通費含め600円以上、勤務地が戻ってからも交通費を減らした分、350円アップくらいしました。時給アップは派遣先の考え方次第です。私の場合、良い上司に会えたことがラッキーだったとしか言えません。
4ヶ月で時給アップした方
時給アップは上司へ物申す勇気が必要です
かな(30歳 事務職)
派遣社員歴は1年ですが、時給アップしたのは働き始めてから4か月目です。1,050円から1,600円までアップしました。
派遣で働いている先が、前職で一緒に仕事をしたことのある方の紹介だったので、事務員という形で働き始めましたが、その枠を超えた仕事、つまり、正社員がやるような業務を周りの技術者と同じようにやっていました。
派遣として働くきっかけは、定時で上がれる仕事を探していたからです。それが、結局は仕事量が正社員並みになってきて、早出残業や定時後の残業時間も徐々に増え、責任のある仕事も増えてきたので、「事務員としての時給では見合わない」と派遣会社を通して上司へ申し出ました。職場にはだいぶ貢献していたので、これで解雇にされることもないだろうと強気で出たのですが、思いのほか時給がアップしたので嬉しかったです。
時給をアップさせるためには、仕事効率を上げる以外に、自分にしかえきない仕事を見つけて、進んで取り組むことが大切です。日々溢れる仕事に対して、どうすれば効率が上がるか、業務改善にも取り組んでいます。
半年で時給アップした方
管理職の方から声をかけていただきました
たんぽぽ(26歳 接客業)
派遣社員歴は1年です。時給がアップしたのは入社後6か月ぐらいからです。始めは時給1200円でしたが1250円になりました。
コールセンターで受信の仕事をしていましたが、半年ぐらいでオペレーターを助ける役職に就くこととなり時給が上がりました。私が所属している部署は立ち上がって2年程のところでしたので、仕事内容を覚え、お客様への案内が完璧にできるようになると、今度はオペレーターからの質問の受け付ける立場になりました。
私自身、昇格したいと思って頑張ったわけではないですが、お客様への対応を迅速に丁寧にすることを心がけていると、管理職の方から声を掛けていただきました。
このコールセンターでは、頑張ればさらに上の役職も目指せて時給も上がるので、オペレーターからの指示が得られるように分かりやすく迅速に説明できるよう励んでいます。
一生懸命な姿を認めてくれ半年で時給アップ
まきさん(44歳 販売促進)
昨年の夏から現在の会社で派遣として働くようになったので、現在で1年3ヵ月が経ちました。時給がアップしたのは働き初めて半年後のことでした。勤務開始時の時給は1,200円。それが1,300円になりました。
もともと別の会社で同じ様な仕事をしていた私。その為、仕事内容も1から教えられる事もなく、テキパキとこれまでの経験を活かしながら仕事をしていました。
後日聞いた話ですが、「思っていた以上に仕事をしてくれるから」と直属の部長が認めてくださり、異例とも言える半年後での時給アップに繋がったようです。
自分の経験をフルに活かしながら、まずは時給アップを目指し真面目に仕事に取り組んだ事が良かったのだと思います。現在は正社員になれるよう、より一層努力しながら頑張っています。
契約更新のタイミングで交渉します
ななまる(38歳 事務職)
15年ぐらい派遣社員として就業をしています。今は3年が上限なので色々な仕事を経験しましたが、時給がアップする時期は各派遣会社でも違ってくると思います。
「こんなことをお金で解決するんだ」と思ったことがありました。それはパワハラの被害に遭った時です。どんなに訴えても改善せず、「時給をアップするので耐えて欲しい、泣き寝入りをしてほしい」と派遣会社に言われたことがありました。そのときは1500円から1600円にアップすると言われました。もちろん断り、その派遣会社は登録抹消しました。
今は担当者が半年ごとの更新の際に時給アップ交渉をしてくれています。完璧な仕事ができるように常に努力はしているので、そこを認められると時給アップできるのかもしれません。最初は1200円でしたが、現在は1290円までアップしました。
1年で時給アップした方
勝手に上がっていきます
riri(28歳 事務職)
派遣社員歴は2年8カ月です。時給がアップしたのはちょうど1年すぎた頃でした。時給1050円から1070円、今は1090円になりました。特にきっかけはありませんでしたが、ボーナスが出ない派遣社員への会社からのご厚意だと思います。
派遣会社の営業の方が面談に来た時に、「1年たったので少し時給が上がります」と教えてくださいました。時給アップは1年ごとに20円ずつしてくれるみたいです。派遣は3年までと決まりがあるみたいですが、私の会社は同じ部署で10年目の人もいます。
派遣社員から正社員にさせないために、20円ずつでも上げてくれるのだと思います。時給は勝手に上げてくれるので、仕事でわからないことを少しずつなくしていって、会社にとって必要な存在になれればと思っています。
頑張る人を周りはちゃんと見てくれています
ひまわり(44歳 事務職)
私は7年ほど前に派遣社員として2年半働いていました。最初はわけもわからずがむしゃらに。しかし、その職場は年齢層が高い上に男性が多く、「わからないから教えてください」という姿勢でいたら、親切に教えていただいた上、一生懸命やったことで社内の様々な研修にも参加させてもらいました。
その後1年ほどで時給50円アップし、その半年後にさらに50円アップ。最初は1300円だったのが1400円となりました。アップした理由は、手を抜かずコツコツやったことと、いろいろ教えたいただいた中で新しい仕組みを作ったことで、面倒な棚卸の作業効率が格段にアップしたからです。
社員の方の役に立つこと、そして自分自身も仕事を楽しめたことが時給アップにつながったのだと思います。
最初の数年は時給アップしました
あーりん(37歳 事務職)
派遣社員として6年と数ヶ月勤務しておりました。時給がアップしたのは勤務して3年目まで、1年ごとに20円ずつ上がっていきました。その結果、最初の時給1530円が1570円に上がりました。
これは一律同じ会社で派遣社員として働いていた人全てに適用される措置であり、仕事の出来などは関係ありませんでした。
時給アップのために仕事を頑張るとか資格を取るとか、そういう考えを持っても意味のない職場ではありましたが、やりがいや働きやすさはとても大きい職場でしたので、そういうものだと割り切った人がとても多く、そして長く働いていました。
とはいえ、やはり頑張りが評価されて時給に反映されるのは良いことだと思います。もし次に派遣で働くとしたら、働きやすさのわかっている元の職場に掛け合うか、時給アップが見込める未知なる世界を目指すか悩むところです。
1年半で時給アップした方
派遣されて1年半で時給アップしました
れーれ(26歳 事務職)
派遣社員で4年働いています。時給が初めてアップしたのは1年半経った時でした。1250円から1260円にアップし、その後1年度に1270円に、またその1年後に1280円にアップしました。
きっかけは、直属の上司が仕事に対する頑張りを評価してくれたことです。新しい仕事にも積極的に取り組み、手が空いている時間には他の人の仕事を手伝うために声をかけたりしている姿に良い印象を持ってもらえたようです。
その後も時給アップに向けて、わからない仕事に対しても理解を深めることができるように自分から進んで勉強するように心がけて頑張りました。他には、周りの人が困っていないかを考えて、今自分がするべき仕事を明確に考えるように心掛けていました。
助かったよと言われるように頑張った
りえこ(35歳 事務職)
結婚を機に勤めていた会社を辞め、派遣社員として働き出して今度の4月で3年になります。
正社員で働くよりもストレスは減りますが、何かミスを起こしたら次回の更新をしてもらえないかもしれないという不安は常に抱えていたため、「君がいるから助かっているよ」と言われるように先回りして業務を行っていました。
働き出して1年半のとき、派遣社員の事務担当の方から電話がかかってきました。なんと時給を50円アップして1650円になるという連絡でした。
よくよくお聞きすると、私の行っている業務にお褒めいただき、更に取引先が一社増えたこともあるので、企業さんから「是非時給を上げてください!」とおっしゃっていただけたそうです。企業側から時給を上げる申し出はほぼないそうで、派遣会社の方も驚いていました。
営業事務の仕事においては営業さんのフォローと客先でいかに書類の不備をなくすか、仕事のクオリティを下げずミスすることなく工数を削減するかなど、これからも頑張っていこうと思っています。
正確な仕事振りと積極性で時給アップ
Y.H(30歳 事務職)
派遣社員として働きはじめたのは29歳の時でした。今年で2年目になります。時給がアップしたのは1年半ほど経ったときでした。1200円から1250円にアップしたのですが、この50円が結構大きいのです。
私が時給アップのために努力したことは、与えられた仕事を正確にこなすことと「NO」と言わない、この2点です。ケアレスミスをできる限りなくして、正確な仕事ぶりを見せることで自然と信頼してもらえるようになります。そして、やってみる前から「できない」という言葉を口にせず、とにかくやってみると意外と新しいことができたり発見があったりして仕事が楽しくなる上に、積極性のある人と認めてもらえます。
私はこの2点を常に実行し、長く勤めてほしいと言ってもらえるまでになりました。この実績を踏まえて時給をあげてほしい旨を派遣会社に伝えたところ、頑張りを認めてもらえて50円の時給アップにつながりました。
時給アップは交渉次第
ともちゃん(38歳 専業主婦)
初めて派遣社員として働いた会社に3年間派遣していました。最初に時給が上がったのは1年半ぐらいしてからで、また半年くらいで時給が上がることになりました。最初の時給は1570円、その後1620円、最終的に1650円に時給が上がりました。
最初配属された部署では営業事務だけやっていましたが、フロアの移動があり、少し業務内容が広がり、総務事務や経理事務のお手伝いもすることになり、社員の人だけがやっていたことも私もやるようになりました。
仕事内容が広がったのですが、時給が上がることはなかったので、自分から派遣会社の営業さんに話をしたら、すんなりと時給を上げてもらうことができました。
仕事内容が変わったというきっかけは時給を上げてもらえるチャンスです。営業さんに言ってみると交渉してくれるはずなので、自分から言ってみるといいと思います。
また、派遣で時給をアップしてもらうには、与えられた仕事を的確にこなすことが第一だと思ったので、そのことは常に意識して仕事をしていました。
2年目で時給アップした方
自分で電話をかけて時給アップの交渉をしました
ララ(35歳 事務職)
私は派遣社員歴3年です。時給がアップしたのは派遣として働き始めて2年目の時でした。時給は1,000円から1,030円にアップしました。
私が勤務していた会社では、私の派遣会社の他にも別の派遣会社の人も沢山働いていたのですが、ある日、一緒に同じ仕事をしている別の派遣会社の人と話をしていると「私の派遣会社、来月から時給50円アップしてくれるんだって」とのこと。「いいなぁ」と言ったら「自分で交渉してごらん」と言うのです。
その後、時間があったときに派遣会社の担当者へ電話をかけてみました。他の会社がアップしたことはもちろんのこと、私も休まずに毎日行き一生懸命に仕事をしていることをアピールしました。
そのときはあまり良い返事には聞こえませんでしたが、数日後、派遣会社から電話がかかってきて「うちの会社も全員一律に30円アップします」と言ってくれたのです。もう少しアップしてほしかったのですが、それでも有り難いことなので、お礼を言ってさらに頑張ることを伝えました。
3年目で時給アップした方
誰よりも早く会社に来て仕事を始めていました
AU88(28歳 事務職)
今の会社で派遣として働き始めて3年経ちましたが、3年目から時給がアップしました。今まで時給は1,100円でしたが1,500円にアップしました。
以前上司に「給料の面で何かありませんか?」と聞かれた事がありましたが、正社員の人と比べて働きが少ないと感じていたので、その時には特に時給のアップをお願いすることはありませんでした。
しかし、私は毎日誰よりも早く会社に入り、仕事を始めるようにしていたため、その点を上司が認めてくれたので、今回の時給アップにつながったのではないかと感じています。
今は事務や雑務など簡単な仕事しか任せてもらっていませんが、もっと正社員の人と同じ仕事ができるよう書類作成など多方面でのスキルアップに励んでいます。
派遣で時給アップを狙うなら日々のアピールが不可欠
時給アップのタイミングやきっかけというのは派遣会社や派遣先の企業によっても異なりますが、本人の働きぶりが時給に直結するところがほとんどです。頑張り次第では大幅な時給アップだけでなく、正社員への登用も望める可能性もあります。
いずれ時給アップの交渉をするにしても、結果を出さなければ企業側も派遣先も納得してくれません。交渉を検討している方は、まずは今の自分にできる最大限の仕事をこなし、相手を納得させられるだけの成果を出しましょう。