「後ろ倒し」でますます厳しくなる2016年度採用
就活が後ろ倒しで始まった今年。そもそも「後ろ倒し」とはどういうことなのでしょうか。
これまでは大学3年の12月に説明会などの広報活動が解禁になり、それが3月まで続き、 そして大学4年の4月から9月までの半年間に渡って筆記試験や面接などの選考活動が行われ、10月に無事内定というスケジュールでした。
↓後ろ倒しになると
広報活動解禁が大学3年の3月から大学4年の7月約5か月間行われ、8月からようやく筆記試験、面接などの選考活動が開始されますが、例年通り10月に内定となるとこれは2か月間しか行われません。つまり、短期決戦になるわけです。
それにより、「就職先が決まらなかったら…」「いつから、どのように就職活動を始めたらいいか分からない」という不安が就活生たちの中に生まれてきているようです。
誰しも起こる危険性があるメンタルヘルスの不調
就職活動時期になると、メンタルヘルスの不調を訴える就活生が少なくありません。「就職が決まらないことへの不安」や「採用試験に落ち続けたせいで自分に価値を見出せない」「就活と学校生活との両立で疲れ果て、自分の時間が持てないことへのストレス」などから精神的に参ってしまうのです。
メンタル面の調子を崩しやすい人の特徴は
- 真面目で責任感が強い
- 几帳面
- 人との付き合いが苦手(コミュニケーションが下手)
- 感受性が強く、気が弱い
- 学校での成績は優秀
つまり…基本的に真面目で一生懸命な学生がメンタルの不調を起こしやすい傾向にあります。加えて、ゆとり世代は打たれ弱く、すぐに落ち込んでしまう人が多いため注意しましょう。
警視庁の調査によると平成19年以降「就活の失敗」が原因で自殺してしまった大学生は218人にも及ぶといいます。 後ろ倒しの就活スタートによって現在の就活生は昨年以上にメンタルヘルスの不調を訴える大学生が増えるのではないでしょうか。
就活で精神的に参ってしまわないためにはセルフコントロールが重要
就活で心が折れないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか? ここで重要になってくるのが、セルフコントロール力です。
『セルフコントロール』とは、己の思考や行動を己自身で操作、調整、または統制することで、中でも心理的なものについてはメンタルコントロール、またはメンタルセルフコントロールといったりします。
日本代表のサッカー選手の長谷部誠選手が2011年に『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』という本を出版したことで、この言葉への興味、関心が高まりました。
◇5つのメンタルセルフコントロール法◇
就活で心が折れないようにするには、生活習慣を見直したり何かしら行動に移すことが大切です。その5つの方法を見ていきましょう。
その1 自分の今の感情や不安を日記のようにして紙に書きだす。
こうすることで、自分が今一番何に悩んでいるのかが明確になり、自分の思考のパターンが見えてきます。
例
○○会社の企業面接があった。自分の思いを上手く話せなかった。やっぱり自分はダメだと思ってしまった。落ち込んで何もしたくない。
→人前で話すことに対して極度に緊張してしまい恐怖心がある→出来なかったことがあると自分否定に走り、いつも落ち込む。
要はこの負のスパイラルから抜け出すための方法を考えれば良いのです。
負に打ち勝つための考え方としては
- 今回は上手くいかなかったけれど、失敗したからこそ次の試験に生かせると思う。(次はきっとできる!)
- 言葉を尽くすことはできなかったが、しっかりと相手の目を見て話すことはできた。
- 面接ができなかったからといって己の人格まで否定する必要はない。etc.
最初は無理やりにでも思うようにすると思考の癖がつき、自然とプラスへの発想の転換ができるようになります。
その2 自分の今の感情や不安を受容し、認めてやる。
ダメだと思うことや不安を否定するからつらくなるのです。
「頑張ってるんだから不安に思うのもダメだと思ってしまうのも当たり前」
「今は仕方ないこと。ありのままで大丈夫」
「泣いてもイライラしても良いんだよ」
と心の中で自分に語りかけてあげましょう。 自分を責めることは簡単ですが、許してあげるのって意外と難しいですよね。 けれど心が疲れてるアナタには必要なことです。
その3 自分は自分、人は人。
就活時期は友人さえもライバルになり、周囲の動向が気になりますよね。「もしかしたら自分だけ就職できないんじゃないか」そんな不安に駆られる人も多いでしょう。 そういう時は先ほどのように大丈夫と一言心で唱えて、自分のペースでやるよう心がけましょう。
その4 就活のことを考えない時間をあえて作る。
1日中ずっと就活のことばかり考えていたら誰だって疲れてしまいます。1時間でも2時間でも、時間を決めて「この時間は就活のこと考えないぞー!」という気持ちで好きな音楽を聴いたりテレビを見たり、趣味の時間にしてみましょう。賢い人ほど上手に息抜きしているものです。
その5 寝る前に5分間だけ腹式呼吸。
睡眠は心身ともに健康の鍵です。 質の良い眠りを得るために有効なのが眠る前5分間の腹式呼吸です。
お腹で深くゆっくりと息を吸って吐く、極めて単純な動作ですが心が落ち着き、穏やかになります。 5分間それを繰り返したら、あとはなるべく楽しかったことや1日の中で良かったことを考えながら眠りに就きましょう。
アナタを守れるのはアナタ自身
難しいことは何一つありません。いつから始めても遅くないセルフコントロール術です。就活で心がヘトヘトになってきたら、無理してそのまま突っ走らずいったん立ち止まってみましょう。
この5つの方法を試してみてそれでも心が元気にならない場合は壊れてしまうまえにきちんと家族や友人、周囲の人たちにSOSを出しましょう。アナタを守ることができるのは、アナタだけです。