テレアポにはコツがある
テレアポの仕事は、ノルマがあったり、見知らぬ人に電話で営業をかけて怒鳴られたりする、大変なイメージがあります。でも、テレアポが得意で楽しく仕事をしている人もいます。
ここでは、電話営業を成功させるためのテレアポのコツを紹介したいと思いますが、その前にテレアポがどんな仕事か、テレアポに向いているひとはどんな人なのかを見ていきましょう。
テレアポとは商品やサービスを面識のない相手に電話で売り込む仕事
テレアポとは、面識のない相手に電話で商品やサービスの売り込みをする仕事です。突然見ず知らずの人に電話をするテレアポの仕事は、良い印象を持たれないことが多く、電話を受けた人もぶっきらぼうだったり、必要以上に怒ったりしてくることもあります。
お客様に無理難題を言われた時は、同僚や上司の力を借りて解決を図りましょう。どんな時でも感情的になることなく冷静に対処することが求められるので、精神的に追い詰められることもあるかもしれませんが、職場には必ず助けてくれる人がいるはずです。テレアポの仕事の悩みを決して一人で抱え込まないようにしましょう。
テレアポは自分の気持ちをコントロールできる人が向いている
テレアポが上手な人や得意な人は、お客様がどんなに感情的になっていても常に冷静に対応することができます。簡単に電話を切られても落ち込むことなく、次々と電話をかけ続けます。自分で判断できない時は、すぐ上司を助けを求めます。
お客様の言葉に左右されることなく、自分の気持ちを上手にコントロールしながら「何を言われても他人事だから気にしない」と、少し冷めた気持ちで対応するくらいに余裕のある人がテレアポの仕事には向いています。
電話営業を成功へ導くテレアポのコツ
ここからは、電話営業を成功へ導くためのテレアポのコツを紹介していきます。営業職に就いているけれど、いくら電話しても断られてばかりで、テレアポの仕事が嫌い・・・そんな人は、ここで紹介するコツを覚えて、今後のテレアポの仕事に役立ててください。
テレアポ前は口の体操をする
テレアポを始める前は、口の体操をしましょう。滑舌を良くすることで、電話の向こうにいる相手に伝わりやすい話し方をすることができるようになります。滑舌を意識するお口の体操として、「パ・タ・カ」と繰り返し何度も言うことや、鼻呼吸する時に使う筋肉を鍛える「あ・い・う・べ」と繰り返し言う体操があります。それぞれの語を言う際に口を大きく動かし、1日30回で毎日継続すると滑舌が良くなる効果が期待できます。
相手の名前を何度も繰り返し言う
テレアポのテクニックの一つとして、テレアポのセールストークの中で、相手の名前を何度も繰り返し言うという方法があります。相手の名前を言うことで相手に特別に敬意を払い、あなたならきっとOKしてくれるという気持ちが伝わります。
また、言われた相手も自分が不特定多数のうちの一人ではなく、一個人として認識されていると感じます。「自分を特別だと思ってくれる人ならOKしようか」との考えが芽生えるかもしれません。一度試してみるだけの価値がある方法です。
明るい声で話す
電話を切られないためには、「感じのいい話し方」が大切です。最初は、明るく元気よく名乗りましょう。ぼそぼそとした聞き取りにくい話し方では、忙しい手を止めてまでも対応してあげようという気持ちになりません。お客様に話を聞いてもらうには、始めのつかみが大事なのです。
相手の気持ちを読む
名前と要件を伝えたら、相手の出方を待ちます。そして、相手の声の感じと話から相手の気持ちを読み取ります。今、自分の話を聞いてくれそうなのか、自分が伝えたいことに興味があるのかないのかを考えます。
取りつく島のない相手なら、時間を費やすのは無駄なので、さっさとあきらめることが肝心です。少しでも興味を持ってくれそうと感じたなら、相手のペースに合わせて話を進めていきましょう。
断られても気にしない
テレアポで断られるのは当たり前と心得ましょう。その場合、「そうですよね、必要ないですよね」など、相手の気持ちを肯定することから切り返しを始めます。自分の気持ちを理解してくれる人だと印象を与えることで、電話を切られずに話を聞いてもらえる可能性が高まります。
次に、相手が「必要ない」と言った理由から、そのお客様にとって有益になるアピールポイントを考え、それを提案します。そうするためには、案内する商品やサービスを熟知しておく必要があります。伝えたいことだけでなく、それを取り巻く沿革情報も勉強しておくと、より成功に近づけるでしょう。
とにかく話し続ける
お客様に良いリアクションをしてもらうまでは、とにかく話し続けることが肝心です。時には「昨日は雨が降って大変でしたね」など、世間話を交えながら話を続けましょう。「感じのいい人」という印象を持ってもらえれば、電話を切られる確率が低くなります。いつでも相手の身近な話題を盛り込めるように、いろいろな情報を集めておくように心がけましょう。
電話は自分から切らない
テレアポがうまくいきそうでもいかなくても、電話を切る際は自分から切らないという心がけが大切です。「もう結構です」と言われ脈なしと判断した時は、「では失礼いたします」で結び、相手が受話器を置いたのを確認してから電話を切りましょう。
商談が成立した時は、「ありがとうございました」で結び、同じように相手が受話器を置いたのを確認してから自分の受話器を置きます。この時、お辞儀をするくらいの気持ちを込めましょう。きっと相手に感謝の気持ちが伝わります。
テレアポの種類によって、重視すべきポイントは違う
テレアポは個人のお客様に電話をかける「B to C」(Business to Consumerの略)と、法人へ電話をかける「B to B」(Business to Businessの略)の2種類に分けられます。それぞれのテレアポのコツを見てみましょう。
個人のお客様にテレアポをする時はできるだけ粘る
個人のお客様にテレアポをする際には、お客様へおすすめする商品やサービスの種類にもよりますが、すぐに電話を自分から切らずに粘るということが大事です。
テレアポをスムーズに進めるコツとしては、ノルマや自分が稼ぐべき金額や仕事の目標をはっきりさせ、顧客電話番号リストに載っている全てのお客様との商談を獲得していこうとしないようにすることです。職場で設定されるノルマが理想的数値に設定されているようでしたら、同じテレアポを行っているスタッフの商談獲得見込みの平均を目指しましょう。
テレアポの種類によっては、「お客様が『結構です』というまで同じ個人宅に何度でも電話をかける」という暗黙のルールのようなものがあるかもしれません。その場合、商談成立の可能性が低いと感じられるなら「結構です」と言ってもらえるように話を誘導することもテレアポのテクニックの1つと言えるでしょう。
法人のお客様にテレアポをする時は経営状況などを事前に調べる
企業間取引を目的として法人のお客様にテレアポをする際には、できれば事前に会社の経営状況などを調べておきましょう。
もしその法人が経営危機に直面していたり、事業統合や事業売却などの予定がある場合、テレアポに対応している余裕はありません。そのようなことも考えながらテレアポを行いましょう。
また、テレアポで紹介したい自社製品やサービスとマッチするような部署に狙いを定めて連絡してみることも大切です。
業種別に身に付けたいテレアポのコツ
ここで、テレアポのコツを代表的な業種ごとにご紹介します。ぜひ商談成立に結びつくヒントを見つけてください
不動産業のテレアポはホームページが長期間更新なしのところは避けること
不動産関連になると、顧客リストの全てを商談成立させようとするのは危険です。最初にテレアポを行った時に話を聞いてくれそうなお客様を見つけたら、勤務先の経営状況などを確認しましょう。株式を公開していても公開していなくても、プレスリリースが1年以上も更新されていない場合は経営状態が危険だと思った方がいいでしょう。
また、会社の状況はホームページを簡単に見るだけでわかることもあります。ホームページは、ある意味会社の顔です。外注して維持するには、それなりの費用がかかります。長期間ホームページが更新されていないような法人の場合、何度テレアポを行っても商談が成立確率は低いでしょう。
金融業のテレアポはお客様の興味を把握すること
銀行などの金融業によるテレアポの場合、銀行であるという信頼感から耳を傾けてくれるお客様も他の業種よりはあるかもしれません。関連する商品にお客様自身が興味を持っていても、自分で情報を収集し実際に行動することは、仕事やプライベートの優先順位からすれば低いはず。お客様が興味を持ちそうなことは何かを把握することが大事です。
通信回線業のテレアポは自社サービスのメリットをうまく説明すること
通信回線業によるテレアポの場合、春などの引越しシーズン以外は他社からの変更が多いでしょう。携帯電話の契約とも関連してくるので、携帯電話会社を変えるほど面倒なことを乗り越えても得られるメリットについてうまく説明できると、商談成立に繋がります。
テレアポで得られるメリット
精神的に辛いイメージが先行するテレアポですが、テレアポが上手になると得られるメリットがあります。テレアポすることで自分に身に付く力をご紹介します。
コミュニケーション能力が身に付く
電話の向こうにいる見えない相手と会話をすることで、相手が何を言いたいのか、何をしてほしいのかを感じ取る力が必要になります。相手の考えていることを感じ取ったら、相手の思いに沿った答えを返します。こうしたキャッチボールを繰り返し続ける力がコミュニケーション能力を鍛えます。
コミュニケーション能力が備わっている人なら、何か困ったことが起きても上手に誰かの力を借りて窮地を乗り切ることができるでしょう。生涯役に立つコミュニケーション能力は、身につけておいて決して損をしない力です。
計画性が身に付く
テレアポでは多くの企業が目標数字を掲げます。今日一日で電話をかける件数、お客様からOKをもらう件数など、数字を意識しながら仕事を進めていきます。目標に近づけるためには、1時間あたり何件電話をかければいいのか、1件当たりの通話時間は何分以内が理想なのか、考えなければなりません。
この力が身に付くと、どんな仕事にも求められる、計画を持って考えながら仕事をすすめることができます。たとえ転職したとしても、どの職場でも活かせる計画性は、きっと自分を助けてくれることでしょう。
敬語の使い方が身に付く
テレアポは、会ったこともない人と話をするのが仕事です。敬語を扱えるのは社会人として常識ですが、しっかりと勉強をする機会が少ないのも事実です。テレアポ業務なら、正しい日本語の使い方や敬語を学ぶことができます。仕事に就くときの研修で先輩や上司から教えてもらえますので、せっかくのチャンスを活かし、正しい日本語を話せる社会人になりましょう。
パソコン操作が速くなる
現在のテレアポ業務では、ほぼパソコンを使います。お客様と話したことをテキスト入力したり、お客様に提供する情報を検索したり、必要な資料をフォルダから探したり、時にはお客様と会話を続けながらパソコンを操作することで、どんどんタイピングのスピードが速くなります。仕事に必要不可欠なスキルが身に付くことは、自分にとって大きな財産になりますね。
友達が増える
テレアポの職場では、多くのスタッフが働いています。一緒に働く仲間はライバルとも言えますが、休憩中はわいわいと楽しんでください。気の合う人が見つかったら、長く付き合える友達になれるかもしれません。悩み事を相談できる関係になれたら、テレアポも楽しい仕事になるでしょう。
テレアポは丁寧な情報収集と自己コントロール力を高めるのがコツ
今回は、テレアポのコツについてご紹介しました。ここで紹介したコツのいくつかをプライベートでも実践してみると、自然と身についていくでしょう。
いくつかのコツの中でも、テレアポをする際に一番大事なコツはお客様に関する丁寧な情報収集をすることと、断られても落ち込まない、感情的にならないなど自己コントロールを上手にすることです。これらを常に心がけながら、テレアポで営業成績をアップできるできるように努力しましょう。