面接でマスクをするのはNGなのか
日本では、マスクをしている方が非常に多いです。マスクは風邪の感染拡大を防止するのが主な目的で着用します。しかし、病気の予防ならまだしも、何の理由もなく習慣として着用している人もいます。また、人の印象に大きな影響を与える口元のカバーになるので、そのために着用している方もいます。
そういったプライベートなことでマスクは多用されていますが、面接時でのマスク着用は通用するのでしょうか。いくら自分のためではなく、相手を考慮して着用したとしても、相手方はそれを容認してくれるのでしょうか。
風邪はどんな方でも患いますし、就活などのストレスがたまる時期には患う恐れも高まります。さらに、就活の時期はインフルエンザが流行る時期とかぶってしまうため集団感染することも珍しくありません。それでも面接に行かなくてはならないときにどのような対応をすればよいのでしょうか。
今回は、就活生の皆様に役立ててもらうためのマスクの着用に関する予備知識です。不測の事態はマスクの着用に関することだけではありませんが、これを機に他に気になることを事前に調べておく習慣がついていただければ幸いです。
面接でマスクを使わない方がいい理由
結論から言ってしまうと、面接時にマスクを着用することはNGです。その理由には、マスクを使うことで何かしらの悪印象を与えてしまう場合が考えられるからです。もちろん企業によって判断基準は異なりますが、その点を踏まえた行動を心がけることが大切です。
面接に行く際は相手に失礼にならないように、またどこで見られてもいいように振る舞うことが重要です。道でばったり面接官にあった時も変わらない礼儀正しさを見せれば、あなたの印象はどんどん上がっていきます。マスクという細かい点の一つですが、そうしたこと一つ一つにしっかりと気を配っていきましょう。
顔が分からなくて、不審者として見られてしまう
口元を隠すためにマスクを着用する方がいるということをお話しましたが、これをやってしまうと、顔も表情も分からなくなってしまいます。面接では相手の顔を見なければ始まりません。マスクをつけてしまうと顔のわからない不審な人というイメージを持たれかねません。不審者を中に入れようという人はまずいないでしょう。
また、表情が読めないというのは悪印象につながります。人は言葉だけで相手の意図をくみ取るわけではありません。その言葉に対してどのような表情や雰囲気を出しているかは非常に重要なポイントになります。
例えば、「御社は大変素晴らしい会社ですね」という言葉に対してどのような印象を受けるでしょうか。言葉だけなら褒め言葉として受け取りますが、ヘラヘラした顔で言われたりしたらからかわれている印象を受けてしまいます。
対して、本当に驚いている顔や真面目な顔で接すれば、受け取る側は照れるほど嬉しくなります。マスクはそうした貴重な情報を断ってしまう恐れがあるため、着用には十分に気をつけてください。
声が聞こえにくい
マスクをつけてしまうと声がくぐもったり、聞こえなかったりします。この聞こえなかったということが大問題なのです。どんなに良いことを言っていたとしても相手は理解してくれず、何か言っているなぐらいにしか感じてもらえません。
また、声が聞こえづらいことによって暗い印象を与えてしまいます。暗い印象は相手に嫌悪感や猜疑心を与え、互いのコミュニケーションを阻害してしまいます。
そして、コミュニケーションを凍り付かせる原因のひとつとして聞き直しがあります。普段マスクがなくとも聞き直しにならないように、大きくはっきりと声を出すように意識をしているでしょう。マスクはそんな努力をあっけなく潰してしまう代物です。
拒絶するイメージを持たれてしまう
マスクを着用することには、拒絶しているイメージを与えてしまいます。拒絶は、参加する意思がないと受け取られるということです。「私から言うことは何もありません」という体に見えてしまうのです。口を隠すわけですから、そういった先入観が出てしまうのも無理はありません。
本人の意思とは関係なく悪印象を与えてしまうのがマスクです。何とも理不尽ですが、このよくない印象のままで採用するわけにはいきません。仕方のないことかもしれませんが、そもそも体調管理も面接のうちですのでくれぐれも気をつけてください。
マスクが手放せない就活生必見!好印象にするマスク着用術
残念ながら、風邪やインフルエンザ、花粉症などは、面接だから治ってくれる訳ではありません。だからこそ、マスクを使って他の人への感染を防がなくてはなりません。また、それが最低限のマナーともされています。そのため面接の際におけるマスク着用にはちょっとしたコツがあります。どうしてもつけなくてはいけない方に見ていただきたい3つのポイントをご紹介します。
許可をもらってからつける
社会人として、どうしても出席しなくてはならないときに不測の事態が起こってしまった場合、しなくてはならないことがあります。それは事前の相談です。マスクを着用する前に電話や受付の方へ直接、「マスクの着用をお許しいただけませんか」という旨を伝えておきます。さらに「皆さまにうつすわけにはいきませんので」などの思いやりの一言があるとより良いでしょう。
いかなる理由があれ、その事態を正確に把握し、相手への思いやりを見せることができる人は企業にとって大切です。これは入社後にも反映される能力だけに、企業も自社の判断基準をもとにいつも見られています。そのため、こうした一言でマスク着用による悪いイメージを抑制できます。
面接を別日にすることを相談してみる
事前の相談でもう一つ方法があります。ただし、この方法はできるだけ避けた方が良いものです。それがリスケジュールです。この方法は、面接を別日にずらしてもらう方法です。通常、特に何の理由もなくこの方法を使うことはありません。「どうして変更するのか」という猜疑心が生まれてしまいます。
通常であれば、企業の面接日はずらすことができず、できたとしてもマイナスのイメージが付きまとわります。自社を優先できない、体調管理ができないといった先入観があるためです。このようなマイナスイメージを少しでも和らげるために思いやりの一言を付け加えてリスケジュールの相談を持ち掛けることが望ましいです。
マスクの着用は面接に入るまでが一般的
マスクの着用が認められても、面接時には外すのが一般的です。しかし、あまりにもひどい場合は事前の相談をしたうえで、担当者の方にも一言お詫び申し上げた方が良いでしょう。ただし、マスクはできるだけ着けないようにしてください。
インフルエンザが流行していたり、花粉症の蔓延に対してマスクを着けていても、それは会社の中に入るまでとされている場合が多いです。会社の中は、すでに面接が始まっていることを意識しておくとよいでしょう。もっと言えば、家を出た瞬間から面接は始まっていますので、マスクの不用意な多用は避けましょう。
面接でマスクを着用するなら電話で連絡をしておこう
一言連絡をしてからマスク着用をした方が良いとお話しましたが、具体的にどのような電話連絡をするのかを簡単にご紹介します。
お忙しいところ恐縮です。私、○○時より採用面接のお約束をいただいております○○と申します。採用ご担当の○○様にお取次ぎいただけますか。(取次後)お世話になっております。本日、採用面接のお約束いただきました○○と申します。大変申し上げにくいことなのですが、昨日から咳がひどくマスクの着用に関してお許し頂きたくご連絡差し上げました。(承諾後)ありがとうございます。では、本日○○時の採用面接に伺わせていただきます。よろしくお願いいたします。
このようなやり取りの後、少し早めに会場へ向かい、受付の方のマスク着用について報告とお詫びを申し上げます。できれば、面接室に入る前にマスクは取りたいですが、とても取れる状態でなければ入室後に面接官の方へ一言お詫びを申し上げておきましょう。
稀に、承諾をもらっているからとして堂々とつけてくる方がいますが、あくまで承諾をいただけただけです。関係者には必ずお詫びをしましょう。
面接ではできるだけマスクは着けないようにしよう
日本人にとってマスクはかなり身近なものであり、着けていないと落ち着かない人もいます。しかし、マスクは正式な場において悪いイメージを与えてしまうものです。今回はどうしてもつけなくてはならない方のために善後策をお伝えしましたが、できるだけマスクは着けないようにしましょう。そのためにも体調管理については特に力を入れて、万全の体調で面接に臨むようにしてください。