面接での「自分を動物に例えると?」の質問にどう答える?
面接では、時に予想もしない突発的な質問をされることがあります。例えば「あなたを動物に例えると何ですか」や「あなたを家電に例えてください」など、突然聞かれると返答に困る質問をされることが度々あります。
多くの方は、定番の質問から答えに窮する質問まで様々な場面を想定して回答を考えます。中でも回答に詰まる質問が先ほど紹介した「あなたを〇〇に例えると」シリーズです。この質問は、自分自身を身近なものに例えることによってアピールする必要があり、非常に難易度が高い質問です。
しかし、この質問を上手く回答できれば、あなたに対する面接官の評価は確実に良くなるでしょう。今回は面接で「動物に例えると?」と聞かれたときの答え方や例文に焦点を当てていきます。
面接での「自分を動物に例えると?」の質問から見えてくるもの
面接における質問には、「定番の質問」と「予想もしない突発的な質問」の2種類があります。定番の質問は志望動機や学生時代(前職時代)に頑張ったこと、自己紹介などが挙げられます。しかし、中には定番の質問以外に「奇問」とも思えるような突発的な質問をされる場合もあります。なぜ、企業はそのような奇抜な質問をするのでしょうか。
1 本音が知りたい
面接対策として、就活生は様々な質問に対する答えを事前に準備しています。そのため、定番とされる質問については、どの就活生もまるでテンプレートのように似たような回答になってしまいます。
しかし、企業が求めているのはそのような「模範的回答」ではなく、求職者本人の本音です。型にはまった回答で形式的な言葉を話す求職者に対し、少しでも本音を引き出したいというのが採用側の意図なのです。事前準備で決まりきった答えばかりを話す中で、求職者の本当の姿を見極めるために突発的な質問をする傾向にあります。
2 性格が知りたい
事前準備をしてきた答えを使うことができない質問に対して、就活生がどのように回答するのか、そしてどのような態度を取るのかを見ることによって、文字や言葉だけでは把握できない性格についてチェックしています。
3 対応力を見極めたい
予想していない出来事に対して、どのような切り返しをするのかを見ています。咄嗟の出来事に対する臨機応変さや対応力を観察することにより、トラブルへの対応力がどの程度備わっているのか判断しています。社会に出たときにまず求められるスキルはコミュニケーション力です。様々な方と会う機会が多くなる中で、色々な内容の話題に対応し、内容に合った話をする必要があります。咄嗟の話題にすぐに反応し、自らの意見や考えを相手に伝えることができるのかについて見ています。特に営業や販売・接客の仕事を希望する場合は特に注意して見られているので、しっかりと準備をし、可能な限りすぐに対応できると良いでしょう。
4 アイデア力を試している
人間を動物に例えるという、一見面接と関係がなさそうな質問をすることで、就活生がどのような話の展開をするのか、何を軸にして話すのかなどのアイデア力を試しています。咄嗟に思いつアイデア力というのは、会社に入ってからも活躍を期待できると評価されることが多いものです。
また、あらかじめ準備をしていたとしても、あらゆる事態に想定して動くことができると思われることもあるので、事前に回答を考えておくことが大切です。
5 着眼点を見ている
たくさんの種類がいる動物の中から、いったい何を選ぶのか、なぜその動物を選んだのか、選んだ動物の特徴と自分の性格をどのように関連付けて話をするのかなど、求職者が何に着目したのかという着眼点を見ています。回答に正解・不正解はありません。自分が決めた回答については堂々と話し、何に着目をしたのかをわかりやすく丁寧に話をするように心掛けましょう。
「自分を動物に例えると?」の質問で企業が注目しているのは「人物像」
結局、「例えるシリーズ」の質問というのは、本来であれば自己PRとして様々な過去の実績や意気込みなどを伝えるところを、自分を動物や家電などに変換をしているだけです。
企業や採用側が質問を通して知りたいことは「どのような人物か」ということであって、求職者が何の動物が好きなのか、などという趣味趣向を聞いているわけではありません。ここをしっかりと理解しておかなければ、実際の面接の場で答えに詰まる可能性が高くなるので注意が必要です。
「自分を動物に例えると?」の質問に答える時のコツ
面接の場で「あなたを動物に例えると?」と質問された場合に気を付けるべきポイントをご紹介します。
1 あらかじめ回答する動物を選んでおく
いつ聞かれてもいいように事前準備をしておくことが何よりも重要です。予想がつかない質問ですが、もしもの時のために回答を用意しておくことで、いざ聞かれた時に焦らず答えることができます。動物を選ぶ時の注意点は、誰が聞いても知っている動物を選ぶことです。あまりにマニアックな動物や想像がしにくい動物を選んでしまうと、企業側の理解を得ることが難しくなるので気をつけましょう。
2 例える動物は自分の長所を表すものを選ぶこと
動物を選ぶときは、誰もがイメージできる動物ではない限り「自分の好きな動物」を選ぶのは避けましょう。重要なのは好き嫌いではなく、求職者を表現する動物を選ぶことです。可愛いから、かっこいいからなどの理由で選ぶのではなく、選んだ動物のどのような部分が自分と似ているのかを話すようにしましょう。あくまでも動物は「例え」です。自分の長所と動物の特徴(長所)をいかにうまく繋ぎ合わせ、自己PRに結び付けられるかどうかが大切です。
3 例える動物は過去のエピソードに交えて伝える
ただ単に、似ている動物とその理由を伝えるだけでは説得力がありません。なぜその動物なのか、なぜその理由なのかを具体的に知ることができる過去のエピソードを話の中に盛り込むことでよりイメージがしやすく、説得力も増します。ここで重要なのは、いかに説得力を持って話すことができるか。自己PRや学生時代(前職時代)頑張ったこととは別のエピソードを話すことで、さらに良い印象を与えることができます。自分にまつわるエピソードを複数伝えることで、就活生の魅力が伝わりやすくなります。
「自分を動物に例えると?」で伝える動物別回答例3つ
自分に似た動物をとっさに答えるというのはなかなか難しいものです。ここでは面接で「動物に例えると?」と聞かれたときに使えるおすすめの回答例をご紹介します。
1 犬
面接で「動物に例えると?」という質問の答えとしてよく使われるのが犬です。「集団行動が得意で、上下関係に厳しく帰属している集団に愛着を持つ」「会社の中でしっかりとチームワークを大切にして物事に取り組める」といった特徴を持っています。
誰もが知っている身近な動物なので非常に回答しやすいのですが、メジャーな動物だからこそ答え方もテンプレート的になり、オリジナリティーに欠けてしまうという難点があります。過去のエピソードを盛り込みながら、人と差を付けられる回答例をお伝えします。
回答例
私は動物に例えると犬です。犬は上下関係をきちんと守り、集団生活を得意としています。私は、学生時代にアルバイトリーダーを経験しました。シフト管理や後輩の育成などに尽力し、今よりももっと良い店づくりができるよう日々試行錯誤しながら努めていました。
貴社においても、アルバイトで得た経験を活かし、協調性を持って物事に取り組むことでより良い成果を挙げられるよう心がけていきます。
2 猫
犬と並んで人気なのが猫です。犬とは正反対の性格ですが、こちらもメジャーな動物なため回答としてよく挙げられており、「マイペースだが裏表がなくいつも自分に正直に生きている」「周囲に流されず、常に“自分”という軸を持つ」「時に冷静に物事を判断し、場の空気を読んで行動する」などのアピールポイントがあります。
猫と回答する場合に注意すべきポイントは、犬という回答と同様、周りとの差別化が難しいところです。自分にしかないエピソードをしっかりと入れて答えるようにしましょう。
回答例
私は動物に例えると猫です。猫は裏表がない動物で、自分に素直に生きている一方、状況を冷静に判断しながら場の空気を読むことに長けており、周囲の声に流されることなく「自分」というものをしっかり持って生きています。私は普段から自分の思いや考えを率直に伝えるように心がけています。いつもしっかりと自分の意見を持ち、いざ考えを求められた時にはすぐに答えられるようにしています。
貴社においても、常に自分の考えを持ち、周囲の状況を的確に判断しながらより良い方向へ進むためのアイデアを常に持ち続けていきます。
3 象
インパクトが強く、かつ誰もが知っている動物である象を選ぶと印象に残りやすいでしょう。「身体は非常に大きくてインパクトが強いが、性格は非常に優しく周囲をいつも見守っている」「包容力があり何事も受け止められる優しさと強さを併せ持つ」といった特徴があります。
面接ではやはり身近な動物が答えやすいですが、実はゾウも答え方次第では非常に魅力的に伝えることができます。
回答例
私は動物に例えると象です。象は大きくて力強く、いつも仲間や家族のことを優しく見守っています。私は学生(前職)時代にサークル(プロジェクト)でリーダーを務めていました。仲間や後輩が楽しく活動できるよう常に周囲に気を配るようにしていました。何か問題が起こっても慌てることなく、どっしり構えることで周囲の不安を取り除くよう心がけていました。
貴社においても、常に周囲に気を配ることを忘れずに、いつも穏やかな気持ちと広い心でお客様と接し、円滑にコミュニケーションが取れるようにします。
「自分を動物に例えると?」の答えはあらかじめ決めておこう
面接では常に予想外の出来事が起こると想定して臨むと冷静に対処できます。定番の質問に、決まりきった回答をしているだけでは企業はなかなか評価してくれません。企業の質問の意図を上手く汲み取ることで機転の利いた回答をすることができ、周囲のライバルと差をつけることができます。
そのために必要なのが、あらゆる質問に対する回答を用意しておくことです。定番の質問だけではなく、突発的な質問に対してどのように答えるかが結果を握るカギとなります。企業が面接を通して本当に知りたいことは、あなたがどのような人物なのかということです。それを導き出すためにあらゆる角度から質問をしてきます。そのことをしっかりと理解し、自分の強みや自己PRを様々な言葉に言い換えて伝えることで、心に余裕を持って面接に臨めるでしょう。