圧迫面接を受けて選考を辞退する就活生は珍しくない
「中小企業」「大企業」に限らず、数多く存在する企業の中で圧迫面接をしてくる企業というのはそう珍しくはありません。実際に圧迫面接を受けたことがある就活生もたくさんいます。
それと同時に、圧迫面接を理由にその後の選考を辞退する就活生も多いものです。どのタイミングで判断し、辞退を申し出たのかなど、当時の体験談を8名の先輩社員から教えてもらいました。
辞退を決意した圧迫面接の内容とは?
まずは、それぞれの先輩方が途中で選考辞退を決意した理由について見ていきましょう。
- 「履歴書の写真とあまりに実物が違い、大変残念だ」と容姿について侮辱された
- 一生懸命作成したESを見ながら「こんなんじゃどこの企業も通らないよ」と鼻で笑われた
- 学歴や職歴を馬鹿にされた
- 家族構成についての質問をされた
- 入社に対する志望動機を30回ほど繰り返し言わされた
- 3人の面接官全員が生き生きとした表情で圧迫面接をしてきた
- 部活動でレギュラーになれなかった理由をしつこく質問された
圧迫面接を実施する目的として、特にお客様を相手とする仕事やクレームの多い業界・職種では、応募者のストレス耐性や機転が利くかどうか等をチェックするといった意図から圧迫面接を行う会社も少なくありません。今回の調査でも、「これから圧迫面接をします」と面接官から事前に伝えられたという方もいました。
しかし、あまりに応募者の気持ちを考慮しない無神経で失礼な内容だと、「入社した後もパワハラ被害に遭うのではないか」「こんな上司の下で働きたくない」と、辞退を検討してしまうのも無理はないでしょう。
圧迫面接で選考を辞退したのはどのタイミング?
圧迫面接を受け、辞退を申し出たタイミングについては以下のような結果が出ています。
- 面接中に辞退した・・・3名
- 面接終了後、次回の選考に移る前に辞退した・・・2名
- 内定の通知をもらってから辞退した・・・3名
その後の選考に入る前に即日で、「この会社には入社したくない」と感じた時点で辞退を申し出たという就活生が半数以上となりました。
内定の知らせをもらった際に断る方もいますが、入る意思がない会社の選考をスケジュールに入れて動くよりも、早めに辞退した方が他社の選考に力を注げるでしょう。
圧迫面接で選考を辞退した8人のエピソード
実際に、圧迫面接を受けて選考辞退や内定辞退を決めた8人の話を聞いてみましょう。タイミング別に分けて紹介していきます。
圧迫面接その場で辞退を決意!
幼い頃の思い出もぶち壊された
souso(30歳 事務職)
就職活動中はサービス業で働きたいと強く思い、そのなかでも特別感のあるブライダル業界を中心に面接を受けていました。圧迫面接があったのも、ブライダル業界の企業です。
小さい頃に一度結婚式に参加したことのある思い出の式場の企業だったので、その時のキラキラした思い出もあり志望しました。
面接が始まるとすぐに、「履歴書の写真とあまりに実物が違い、大変残念だ」と面接官に言われました。あとあと圧迫面接だったと知ったのですが、そのときはとても嫌な気分になりました。
そのため、「人生のなかで最高の結婚式を作る企業の方に、容姿のことで不快な思いをさせられるとは思わなかった。小さい頃の思い出もかなり残念なものになってしまったので、この企業では働かない」とその場で選考辞退を申し出ました。
後々、「圧迫面接だったので、言い返してきたメンタルを評価したい」と企業から連絡がありましたが、辞退の気持ちは変わらないとお断りしました。
弱小企業に限って偉そう
雅(24歳)
化粧品、特に海外コスメが好きで、化粧品関連の仕事がしたいと思っていた私。気長に探していたところ、私が好きな化粧品ブランドを主に取り扱っている通販会社の事務の求人を見つけ、すぐさま応募しました。
応募した翌日に不採用のメールが届き、ご縁がなかったと諦めていました。その数日後に応募した会社から電話があり、「採用した人が急に出勤しなくなったので面接したい」とのことでしたので、翌日に面接を受けに行きました。
場所は駅から遠く、建物も工事のようなところで「本当にここで化粧品を扱ってるのかな?」と疑問を感じました。
いざ門を叩くと赤ん坊が泣きわめき、やはり中も化粧品を扱っているとは思えない程の汚さでした。変な所に来てしまったと後悔しても、時すでに遅し。面接は社長がし、履歴書を見て私の学歴や職歴にひと通りイチャモンを付けてきました。
私は大学を中退し、その後は派遣で事務職をしていたのですが、「学校も仕事も長続きしないような人は信用がない」「何故そんなに長続きしないしないのか」「忍耐力がない」「どうせすぐ辞めるんだろう」と同じことを繰り返しで言われ、あまりにも失礼だと感じたのと憤りで、その場で辞退を申し出ました。
製薬メーカーはこわい
わーくまん(28 営業)
私が圧迫面接を受けたのは医療用医薬品の会社です。特に皮膚科領域でトップシェアを持っている会社なので、そこに魅力を感じ選考を受けました。
その際、入社に対する志望動機を30回ほど繰り返し言わされました。何度も何度も志望動機を言わされるので、この会社はヤバイ会社だと感じました。
その時は、その会社の営業本部長が圧迫面接をしていました。私が選考を辞退したのは面接の途中です。あまりにもその会社が滑稽に感じてしまい、面接の終了を待たずに辞退を申し出ました。
その当時は、まだどこからも内定を頂いていなかったので焦りはありましたが、それでもその会社に入りたいと一ミリも思いません。結果的に別の会社から内定を頂いて今に至るので、全く後悔はしていません。
圧迫面接の後に辞退を決意!
家族のことで圧迫面接を受けました
くらげ(35歳 広告)
未経験から広告ライターにチャレンジできる点に惹かれて、とある広告代理店に応募。最初は志望動機など和やかに話していました。
ところが、話題がプライベートなことになった時に、家族について聞かれました。私は東京に在住し、転職活動をしていたのですが、実家の両親は北海道。「ずっと東京で働く気はありますか」と聞かれたので、「はい」と答えると「親不孝だ」と説教されました。「今まで育ててもらったのに、親を置いてずっと東京で暮らすなんて」と。
家庭の事情はそれぞれですし、そもそも地元に帰っても仕事はほとんどありません。また、家族構成などについて面接で尋ねるのは厳禁のはずです。
こんな基本的なルールも守れず、ねちねち説教する会社では働きたくないと判断して、面接終了時に、今後の選考の話になった時点で辞退しました。
しつこい「なんで?なんで?」攻撃にウンザリ
咲子(29歳 アパレル)
当時はまだ小さかったネットサービスのベンチャー企業に応募しました。元々私がユーザーで、すごく魅力的なサービスだったからです。
「私も会社を大きくする一員になりたい」と、結構立派なエントリーシートを書いたのですが、面接の際にそれを鼻で笑われました。たぶん役員面接だった思いますが、数名の男性社員がESを回し読みしながら「こんなんじゃどこの企業も通らないよ」と笑って言いました。
その時点でとても嫌な気持ちになったのですが、その後は私が何を言っても「それはなんで?」「どうしてそう思うの?」と追及してくるのです。結局30分ほどそのやりとりが続き、私はヘロヘロになりながら帰りました。
帰り道、人事の方から次回の選考についてのメールが来ましたが、その場で辞退のお返事をしました。一生懸命書いたESを鼻で笑うような企業なんて、絶対に就職したくありません。
圧迫面接後に内定通知を受け取ってから辞退を申告!
有名商社で圧迫面接
りさ(25歳 事務)
元々大学は留学生の受け入れ先になるような学科に在籍しており、研究室も国際色豊かだったので海外への興味がありました。
食品企業からの採用の多い大学であったために、海外との取引がある企業というと商社が思い浮かび、その企業を志望しました。有名商社だったため、まさか最終選考まで残るとは思っておらず、面接通過の連絡がきた時は喜びました。
しかし、最終面接がまさかの圧迫面接でした。当然志望動機が聞かれましたが、そこへも厳しい突っ込みがあり、必死で受け答えをしました。
そこまではよかったのですが、私の学歴について触れ、「うちは基本的にはもっと優秀な大学から採用するので君みたいな大学からは採らないんだけど、有名大学の学生にも負けない強みって何?」と高圧的に質問されとても不快でした。
最終的には採用されたのですが、あまりに面接の印象が悪すぎたため、内定の知らせを受けた時点で丁寧に辞退を申し出ました。
怖かったので就職辞退しました
りな(30歳 営業職)
営業職をやってみたいと思い、思い切って転職をしました。その企業に応募したきっかけは、私の知り合いがそこで働いていたことと、あとは待遇と給料がそこそこよかったことです。
圧迫面接の内容としては、「なぜこの会社で働きたいのか」を聞かれ、それに対してやたらと厳しい質問を面接官全員で繰り返してきて、きちんと回答しているつもりでも、やたらと言葉尻をついてくる…といったものでした。
ひとりの面接官だけではなく、3人の面接官全員が生き生きとした表情で圧迫面接をしてきたのに対し、恐怖を感じました。
最終的に内定は決まりましたが、面接での印象からパワハラやモラハラが蔓延していそうな会社だと判断し、内定の通知があった時に入社辞退しました。
圧迫面接を理由に辞退した話
あべタクト(26歳 営業職)
新卒時の就職活動で圧迫面接を経験しました。営業マンになりたいと思って営業会社ばかりエントリーしていた私ですが、高い営業インセンティブに目を引かれ某土地活用の会社にエントリーしました。
面接当日、面接の時間の前に受験生達が一部屋に集められ人事の人から面接に対する説明を受けました。
「これからあなた達にはいわゆる圧迫面接を受けていだだきますので、何を言われてもとにかく元気に答えてください」と説明がありました。
実際に面接では部活動での経験について激しく突っ込んで聞かれました。「結局あなたはレギュラーだったの?」「何故あなたが補欠のままで3年間いたか分かりますか?」など、レギュラーになれなかった理由について聞かれました。
基本的に面接官の方は不愛想で、何を答えても興味なしの対応です。それでも元気に答えることだけ意識して内定まで頂きましたが、やはり不快に感じたことと、その会社から連絡のある前日に他社での内定も頂いていたのもあり、内定の連絡をもらった時点で辞退する旨を伝えました。
圧迫面接を受けたら、辞退という選択肢もある
すでに述べているように、就活生のストレス耐性などをチェックするために意図的に圧迫面接を行う企業もあります。寄せられた体験談の中には、事前に「圧迫面接をします」と伝えられた人もいます。
企業側の意図を知って覚悟したうえで圧迫面接に臨んだとしても、やはり失礼な質問ばかりされると「こんな会社で働きたくない」と辞退する就活生が多いです。
嫌な思いを抱いたまま面接を受けていても、終わった時に「面接を頑張った!」という清々しい気持ちにはなれないかもしれません。それならば早めに辞退を選択し、気持ちを切り替えて次の面接に備えたほうが良いでしょう。