リクルーター面談から既に選考は始まっている!
基本的に「リクルーター面談は選考ではなく対話の場である」というのが企業側の言い分ですが、リクルーター面談から選考は始まっています。
リクルーター面談で失敗すると、場合によっては面接の案内がいくら待っても来ないケースも考えられます。反対に、好印象を与えることができれば有利になることは間違いありません。リクルーター面談を突破するポイントを押さえて、就職活動を有利に進めましょう。
リクルーター面談とは?
リクルーター面談とは、20代から30代前半くらいまでの若手の社員(リクルーター)が、面接前に学生を見極めたり、優秀な学生を集めるために企業の良さをアピールし、志望度を高めることで選考を辞退しないように囲い込むための面談です。
リクルーターが学生につくのはいつ?
説明会に参加したり、企業の採用ページから応募やプレエントリーをすることでリクルーターから声がかかるという流れが一般的です。その企業で働く大学のOBから突然電話がかかってきて、お誘いを受けるといったケースもあります。このときの電話連絡は非通知でかかってくる場合も多いため、事前に拒否設定は解除しておきましょう。
リクルーター面談はいつ行われる?
就活の開始時期というのはその年によって定められていますが、リクルーター面談では就活ではなくあくまでも「OBが学生と対話する機会」であり面接ではないため、本番の面接よりも先に行われるケースがほとんどです。
その他のタイミングとしては、エントリーシートの提出後や内々定を出した後に行うケースもあります。
リクルーター面談の形式
リクルーター面談は、一人の若手の社員と就活生数人で行うのが一般的です。学生である就活生を会社に呼びつけてしまうと選考していると判断されてしまうため、カフェなどで雑談するような形式で行われます。
リクルーター面談はどの程度選考に影響する?
リクルーター面談は面接ではありませんので、合格・不合格という結果が送られてくるわけではありませんが、実際は何かしらの選考が行われているケースがほとんどです。
例えば、リクルーター面談で若手社員に気に入られた就活生は、面接の日程が早い段階で設定されることがあったり、反対に、若手社員のお気に入りになれなかった就活生は面接の案内がなかなか来なかったりします。
リクルーター面談で学生に点数や評価を若手社員が付けた上で人事の採用担当者に報告し、点数や評価の高い就活生に対して手厚いフォローや囲い込みを行い、入社を促したり他の企業に奪われないようにするケースもあります。
もちろん、企業の方針によっては、就活生に対して企業側の良さをアピールするだけで、選考は全くしていないという企業もありますが、採用担当者はリクルーター面談を行った社員に対して「どうだった?優秀な学生はいた?」というようなことを必ずヒアリングしているので、その段階から少なからず選考は始まっていると言えます。
リクルーター面談を突破するためのポイント3つ
リクルーター面談では面接と同じような内容を質問されるため、面接と同様の対策が必要になりますが、それ以外にもリクルーター面談を突破するためのポイントがあります。
1 自分が回答する番でないときも気を緩めない
面接の場合は「最初に就活生が自己紹介を行い、次に面接官が就活生に質問をして、最後に学生側が面接官に質問する」といった明確な流れがありますが、リクルーター面談の場合は少し違います。
リクルーター面談の場合は1対1ではなく、リクルーターの社員1人に対して就活生は複数人というケースが多いため、話し終わったはずの自分への質問が再開されるということもあり得ます。面接よりも臨機応変な対応が求められるので、自分が回答する番ではないときも気を緩めないことが大切です。
2 他の就活生の話もよく聞いておく
リクルーター面談では他の就活生も同席しているケースが多いため、他の就活生の話から派生して自分に質問が飛んでくるケースもあります。
このとき、他の就活生と全く同じ話をするとリクルーターに悪い印象を与えてしまうので、なるべく同じ話をしないよう意識しましょう。
特に、他の就活生が既に質問した内容であったり、質問内容は違っても同じ回答が返ってくることが予想できる場合は、違う質問の仕方をするなどの臨機応変な対応が求められます。
3 他の就活生よりも優れているポイントをアピールする
リクルーター面談に一緒に参加している就活生は、もしその人達と一緒にその会社に入社することになれば同期という大切な仲間になりますが、リクルーター面談という場である以上はまだ同期ではありません。一緒にその企業を受ける就活生は仲間というよりもむしろライバルです。
ましてや、リクルーター面談という場は他の就活生が目の前にいて、先輩社員はそのリクルーター面談に参加した就活生に対して後から優劣を付けて選考していくわけですから、他の就活生よりも優れているポイントを独自にアピールする必要があります。
また、面談内容はもちろんですが、他の就活生よりも大きな声で挨拶する、最後は一番初めに御礼を伝える、あるいは帰り際は率先して片付けるなど、少しでも周りの就活生より評価してもらえるよう積極的にアピールしていきましょう。
4 リクルーターに聞きたい質問を複数用意しておく
リクルーター面談は、志望する企業の社員とコミュニケーションを取れるまたとないチャンスです。それにもかかわらず質問をひとつも用意していないとなると、相手からやる気を疑われてしまう可能性が高くなります。
「今の会社を選んだ決め手は何ですか?」「実際に入社してみて、働く上でどんなスキルが最も必要だと感じますか?」など、リクルーターが返答に困らないような具体的な質問をいくつか用意しておきましょう。
リクルーター面談で注意したい振る舞いマナーは4つ
リクルーター面談ではいくつかの注意すべきポイントがあります。本番当日を迎える前に、しっかりと頭に入れておきましょう。
1 リクルーターには全ての行動を見られていると自覚する
面接の場合は、会議室に入ったら、面接官の質問に回答するという行動が基本になりますが、リクルーター面談の場合、カフェでやるという性質上、リクルーターの社員との距離がとても近くなります。カフェのテーブルに社員と就活生数人で座るため、場合によっては社員のすぐ隣に座ることもあり得るでしょう。
良くも悪くも先輩社員の目を付けられてしまうポイントがたくさんありますので、一つ一つの行動についても注意する必要があります。比較的フランクな雰囲気だからといって油断は禁物です。
こんな行動は厳禁!
- スマホや携帯を机の上に置く
- スマホや携帯が鳴ったときにメールを見る
- 頬杖を突く
- 欠伸をする
- 貧乏ゆすりする
- コーヒーを飲む時の音がうるさい など
2 周囲への気遣いを怠らない
カフェでリクルーター面談を行う場合、先輩社員に上座に座って頂くように促したり、リクルーターや他の学生のお手拭きを代わりに取ってくるなど、気を遣うポイントはいくらでもあります。
もちろん、いくら上手に気遣いが出来ても質問内容にまともに回答出来なければ落とされてしまいますが、質問に上手に回答できても全く気が遣えないという人もまた、悪いイメージを与えてしまいます。常にリクルーターや他の学生への配慮は怠らないようにしましょう。
3 言葉遣いに気を付ける
上手なリクルーターになると、フランクな雰囲気を前面に押し出して学生の本音や素の部分を探ろうとしてきます。しかし、そのノリに釣られて言葉遣いが崩れてしまうことのないよう注意が必要です。あくまで選考段階であると心得て、言葉遣いにも気をつけて発言しましょう。
4 リクルーター面談の服装は原則スーツにする
リクルーター面談の服装については、「選考じゃないのでラフな格好で来てください」と言う企業が多いですが、その言葉を信じて私服で行くと、「他の就活生は全員就活用スーツなのに自分だけが私服だった」という事態にもなりかねません。
リクルーター面談の連絡があった際に「絶対に私服」と私服を指定されない限りは、就活用のスーツで臨むのが基本ということを覚えておきましょう。
リクルーター面談は既に選考段階であると心得て
リクルーター面談は合格・不合格という通知は来ませんが、選考されていることには変わりありません。さらに就活生が複数人参加するため、一人の持ち時間は必然的に少なくなることに伴い、一度相手に悪い印象を与えてしまうと、その印象を払拭できないまま面談が終わってしまう恐れがあります。
リクルーター面談を受けるチャンスが来た際には、志望動機や自己PRの推敲や業界の研究など、面接と同様に入念な対策準備が大切であることを肝に銘じて挑みましょう。