公務員のインターンシップに参加しよう
公務員になるためには、公務員試験に合格して採用候補者名簿に登録されることが前提にあります。ゆえに公務員のインターンシップは軽視されている面がありますが、どんな職業においても予め業務内容を実際に知っておくことが重要です。
公務においても実情を知っておくことは、就職してからの業務を円滑に行うために重要な要素です。公務員のインターンシップは他の民間企業に埋もれがちなため軽視されたり、広く知られたりしていませんが、役に立たない訳ではないので他の候補者が目を付けていない穴場として捉えられるでしょう。
公務員のインターンシップ情報を入手する方法
公務員インターンシップについての情報が手に入るのは、大学の就職課やキャリアセンターです。学生の応募は一括で管理したいという大学側の都合もあるため、志望動機書などの提出書類をまとめて提出する流れが多いです。そのため、締め切り日がインターンシップ先が公開している日時よりも大学で掲示しているものの方が若干早い場合があるので、ちゃんと確認して提出するようにしましょう。
ネットでも情報を手に入れられないこともありませんが、民間企業とは違い、大々的に取り上げられることが少ない上に、公務員のインターンシップは数が少ないため定員がすぐに埋まってしまうこともありますので、確実に情報を手に入れる必要があります。ネット上で探して時間を無駄に過ごすより、まずは大学の就職課やキャリアセンターに確認を取ることから始めましょう。
公務員インターンシップにおける志望動機の書き方
公務員と一口にいっても職種の幅は広く、インターンシップに参加するために書く志望動機書に困る方は少なくありません。公務員のインターンシップも民間企業と同じように、夏季・秋季・冬季と3期にわたって開催されるものの、大きく取り上げられることが少ないために志望者も多くありません。
ネットで探してみても、民間企業のインターンシップ対策ばかりで公務員インターンシップについてはあまり記述がありません。公務員インターンシップに参加するための志望動機書を書くポイント紹介します。以下3つの項目の中から1つないしは2つを選び、丁寧に志望動機を書いてみましょう。また、記入する際は自分の将来的な展望を交えて記入していくことでまとまった文書になりやすいです。
市民をサポートしていく姿勢を見せる
公務員の志望動機書に「市民への支援」について書くことが望ましいです。公務員が働く目的の1つに社会貢献があります。利益追求を行わず、市民が抱える問題を解決するためにサポートします。具体的な内容を書くとすれば子育て支援や障碍者支援、高齢者支援などがあります。
社会貢献にも色々なものがありますのでどのような問題点に着眼して、現在ではどのような考えを持っているのかを伝えるとよいでしょう。自分が興味のある分野についての問題点を洗い出したり、自分なりの解決法を出したりしましょう。自分が体験したことを織り交ぜながら話すと、説得力が増します。
例えば「私が通っていた学校には障害を持った人も通っており、彼らのサポートを積極的に行っていました。障害を持った人の大変さや苦労を身近に感じ、行政という立場から支援ができないかと思い志望しました」というようなことをもっと自分の体験を交えたり、感想を織り交ぜたりして書くとより良いでしょう。
地域活性化への意欲を見せる
どこの地方自治体でも行っていることが「地域活性化」です。つまり地域活性化に対して関心のない者は、公務員には必要ないと思われると捉えるべきでしょう。地域活性化は自治体や役所だけが関わっているわけではなく、官庁や公社に勤めることになっても避けて通れない問題です。
公務員インターンシップに参加することの意義としては、公務員が実際にどのような業務に従事しているかを感じ取るということも重要ですが、業務が何を目的に行われているのかを見るのも大きなポイントです。そのため公務員インターンシップに参加する際は、地域活性化に対しての思いを述べることでプラスに働くことが多いです。
ただし志望先によっては直接ではなく間接的に支援している職場もありますので、志望先がどのような業務を行っているかをあらかじめ調べておく必要があります。
都市部の発展についても考えていることを見せる
地域活性化にともない都市部の役割も重要になっています。都市部はインフラも交通も整えられており、繁栄しているというイメージがありますが、都市部には都市部なりの問題を抱えています。どのような問題点があるのかを考え、どうすれば解決するかを考察しましょう。
都市部の発展には、インフラ整備や商業施設の建設、インバウンドなどが挙げられます。自分がインターンシップにて訪れる地域には都市部の発展に必要な物の何が足りない、または過剰かといった問題や、まったく別の課題が無いかを改めて洗い出しておきましょう。そして、どのような解決法が考えられるかをいくつか挙げておき、インターンシップにて何が適切かを見極めたいなどと続けると良いでしょう。
公務員インターンシップに参加するメリット
公務員インターンシップに参加するメリットは、「行政の実態把握」「公務員になる意思固め」「人脈の形成」と大きく分けて3つあります。
行政の実態を把握することができる
市役所や官庁で働いている職員の方が、実際にどのような環境下で働いているのかなどは外側から見てもなかなか分かりません。公務員インターンシップに参加するということは、見えにくい行政の実務を見学することでもあります。地域と触れ合う機会があれば福祉サービスを提供する民間企業を志望する際などでも使えます。
公務員になることへの意思固めになる
インターンシップに参加するための志望動機書を書くにあたり、実体験と自分の考えだけを書く人は少ないでしょう。市役所のホームページや官庁で発行されている広報物も参考にする人が多いです。しかし、パンフレットなどを読んでイメージした仕事と実際の業務に、ズレがあることは多いです。
実際に公務員として働き始めてから「こんな仕事だとは思わなかった…」と後悔しないように、インターンシップで伝聞した情報と現場で得られる体験とのギャップを是正する役割があります。また、なんとなく公務員になろうと考えている方が真剣に職務について考えるきっかけにもなります。
公務員として働く前から幅広い人脈を作ることができる
職員はもちろん、議員や地域に住む高齢の方や障害を抱えた方など、さまざまな人々との交流が可能となります。彼らとの出会いは、例え公務員にならずとも後の仕事に役立つでしょう。
公務員インターンシップに参加するデメリット
公務員インターンシップにはメリットがあれば、デメリットもあります。どんな短所があるのか、しっかり確認しておきましょう。
1.インターンシップにかかる費用は自己負担が多い
公務員インターンシップはボランティア活動のようなものです。民間企業ではインターン生に働いた分の給与を与えたり、必要経費を負担してくれたりします。しかし、職場までの昼食費や経費などをインターン生が負担しなくてはならず、仕事で遠出する際の交通費も支払わなくてはいけない場合もあります。インターンシップの内容は隅々まで確認しておきましょう。
2.希望部署に配属されるとは限らない
公務員に限りませんが、必ずしもインターンシップ先は自分の興味ある部門、部署に配属されるとは限りません。地方の小さい自治体であれば希望の所へ配属される可能性も高いですが、省庁や大きな役所だとまとめてインターン生を受け入れることが多く、自動的に振り分けられてしまうことがあります。
公務員インターンシップに参加しても試験に合格しなければ公務員になれない
民間の場合はインターンシップに参加することで採用されやすくなることがありますが、公務員の場合は採用における優遇措置は期待できません。公務員試験では教養試験があり、いくらインターンシップで良い印象を与えていたとしても点数が低ければ不合格となります。各官庁でも決定を左右できませんので、公務員になるには公務員試験を突破しなくてはいけません。
公務員だからこそインターンシップで現場を見ておこう
公務員になるということは社会貢献をすることをメインに考えなければなりません。民間企業とは違い、計画的な行動が多い公務員の仕事をどのように進めていくのかを知っておくためにも、インターンシップで現場の動き方を見ておくことは重要です。なぜなら自分たちが日々授かっている福祉というものがどのようにして運営されており、自分は何をすべきかを見つめ直す機会になるからです。