エントリーシートにおける添え状マナー
就活生ならばエントリーシートを1枚あたり2~4時間程度で作成できるでしょう。1度も書いたことの無いものを書けと言われて、間違いもなくスグに書ける人は少数ですので、就活セミナーではエントリーシートの書き方やコツが中心となっています。
しかし、書く内容ばかりに気を取られて社会人の常識やマナーの面で大きな減点を貰う就活生は多いです。特に、今回ご紹介する添え状は知らないと思いつかないマナーです。
できた方がいいけど強制ではないというルール・マナーは数多く存在していますが、「できていた方がいい」とプラスに繋がるマナーなら実践して置いて不利にはなりません。どんな小さなことでも捨ておかずに行うことが、就活を勝ち抜くために重要です。
エントリーシートに添える添え状とは何か?
添え状は送付状とも呼ばれており、書類の概要を提出先の相手に分かりやすく提示するための1枚書きの書類を指します。添え状には履歴書やエントリーシートのような必須の書類ではありませんが、マナーの面で評価されます。
添え状に書く内容
- 宛先
- 日付
- 連絡先
- 所属する組織名(就活生なら大学、転職者なら会社)
- 氏名
- 件名
- 頭語と結語
- 前文の挨拶
- 書類の概要
- 記(封入物の種類)
パソコンで簡単に作れますし、テンプレートを用意しておけば宛先と記の部分をその都度変えれば、30分もかからずに出来るでしょう。
エントリーシートに添え状は必要か?
そもそもエントリーシートを志望企業に送る際、添え状は必要なのでしょうか?実はその答えはNOです。添え状は送付した書類の一覧を書いたものなので履歴書のように必須ではなく、添え状がなかったから採用しないという面接官はいません。しかし、添え状に意味がないわけではありません。実際、就活生の約6割が必要ないと言われる添え状を添付していました。
社会人として企業で働き始めたなら、書類を送る機会は必ず訪れます。特に相手が顧客の場合は必ず添え状を入れて、「マナーを重んじる人」「誠実な人」という印象を与えます。学生の内から書き方や書く内容を知っておくことで、企業に就職した後に覚えることが1つ減ります。
エントリーシートの添え状のテンプレート
添え状には、宛先、日付、連絡先、所属する組織名、氏名、件名、頭語と結語、前文の挨拶、書類の概要、記(封入物の種類)が書いてあるものです。基本的にA4サイズの紙に書きますが、封入物のサイズに合わせた紙を使います。また、ごく簡単に書かなければメインの中身まで見てもらえなくなるので注意してください。ちなみに添え状は市販では売っていませんがテンプレートがウェブ上にあるのでダウンロードして使えます。
日付
用紙を縦長に置いたとき、右上に日付を書きます。日付は記入日ではなく提出日、すなわちポストに投函する日を記入します。和暦でも西暦でも良いのですが、西暦の方が読みやすく好印象になります。また、封入されているはずの履歴書とエントリーシートの日付と同じ日付にしておきましょう。
宛先
用紙の左上に宛先を書きますが、宛先が人なのか部署なのか会社なのかによって言葉が変わります。
宛先の後に付ける言葉
- 特定の人に送る場合
相手の氏名、または氏名が分からなければ「採用ご担当者」の後に「様」を付ける。
- 会社や部署に送る場合
会社名、または部署名の後に「御中」を付ける。
就活生でも、上記の2つは常識的なマナーとして覚えておきましょう。もしも採用担当者の役職名が分かるようでしたら、併せて書いておきましょう。このとき注意してほしいのが部長様、課長様のように「役職プラス様」で書かないということです。「企業名 部署名 役職名 氏名様」と書くのが正しい使い方です。
氏名
用紙の右側上部、日付の下に書きます。「郵便番号」「住所」「名前」「電話番号」「メールアドレス」を1つのセットとしてすべて書くことで、一目で連絡先が分かり万が一提出物に不備があった場合や確認が必要な時にも連絡が来ます。このとき住所や電話番号はPCで作成して構いませんが、名前だけは手書きで書きます。
表題
本文に入る前に、どのような要件かを明記した表題を書きます。氏名よりも下の位置、用紙中央に書きます。今回の就職活動でエントリーシートを送る場合では「応募書類送付の旨」「エントリーシート送付について」「内容確認のお願い」といった表題が考えられます。
前文のあいさつ
本文の初めは頭語と挨拶から始まります。頭語は男女共に使える「拝啓」にし、1文字分空けてから「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」とテンプレート通りに書けば問題ないでしょう。頭語と前文の挨拶が一行に収まるよう書くときれいに見えますので、手紙のように季節の挨拶は必要ありません。
要旨
要旨には自分がどこの誰なのかを明記したうえで、どのような要件で書類を送ったのかを書きます。
要旨の内容例文
私は、○○大学●学部●●学科の佐藤花子と申します。この度、貴社の求人に応募させていただきたく、応募書類を下記の通り提出させていただきました。ご検討のうえ、是非とも面会の機会をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
前文の挨拶に頭語を付けていますので、要旨を書いたあとは1行あけた後、右端に「敬具」と書きます。
記
最後に、「記」を本文下の用紙中央に書きます。今回送付した内容物について明記しておくことで、何が入っているのかが分かります。添付書類を書き終わったら、右端に「以上」と書きましょう。
記の内容例文
記
添付書類
履歴書 1部
エントリーシート 1部
以上
エントリーシートにつける添え状を準備する際の注意点
エントリーシートにつける添え状を準備するさいには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。添え状をつける場合は、ここで紹介する注意点を参考にしてください。
エントリーシートの添え状は手書きでなく、パソコン作成でもOK
添え状は手書きにすべきか悩む方がいますが、パソコンで作成して構いません。大抵、就活にかかわる書類は「手書きの方がいい」といわれますが、添え状は確認したらすぐ処分するものなので手書きにこだわらなくても大丈夫です。企業に送る添え状は、テンプレートを少し書き換えたものを使って構いません。
1つ注意してほしいポイントが、志望理由や熱意を書かないことです。例えば「先日は説明会にて貴重なお話を聴かせていただき、誠にありがとうございました」と書く程度なら構いませんが、エントリーシートに書くような内容は書きません。
エントリーシートと添え状を送る前に必要項目を記入しているか確認する
添え状は何かの書類と併せて送るものですので、宛先、日付、連絡先、所属する組織名、氏名、件名、頭語と結語、前文の挨拶、書類の概要、記(封入物の種類)がしっかりと記載されているかを確認してから提出してください。ほとんどの方は最初にテンプレートを作成しているため記入漏れはないでしょうが、誤記入はあるかもしれません。特に「様」と「御中」や宛先は間違えやすいので細かくチェックしておいてください。
また、「記」の下に書いてある書類は本当に封入されているでしょうか。履歴書は一枚しかありませんので「履歴書1枚」と記載されているはずです。エントリーシートも「エントリーシート1枚」と記載されているはずです。それらは本当に宛先および日付とともに合致したものかを確認しましょう。
最後にすべての書類が入っていることを確認したら添え状を一番前に来るように配置して封をしましょう。その際には封筒の止めている部分に「〆」と書き他の書類と混合しないような工夫をしておくと万が一の時にも対策が練られます。
エントリーシートの添え状はあればうれしい
エントリーシートを郵送する際に添え状を入れるべきか否かの話でしたが、結論としては添え状はあれば印象が少々良くなる程度です。しかし、企業に入ってから仕事上でも添え状を書くことになるので、今から社会人として働くための練習という意味合いを込めて作成しても良いでしょう。そこまで時間のかかるものでもないですし、1度テンプレートを作ってしまえば後は楽なので、気軽に考えておいて問題ないでしょう。ただし、添え状の書き方というのは1つの常識ですので間違いがないかのチェックは厳しくしておきましょう。