エントリーシートは趣味欄で個性や人となりをアピールしよう
就職活動の最初の関門であるエントリーシートですが、その中でも「趣味」についての記入に頭を悩ます就活生が多くいます。これといった趣味を持っていないと就活生も少なくないでしょう。
しかし捉え方を変えれば、趣味欄に書き込む内容で他の志望者と自分を差別化し、自分の個性や人となりをアピールできるチャンスでもあります。たかが趣味欄と思ってなおざりに書くのではなく、きちんと考えて書きましょう。
なぜ企業はエントリーシートで「趣味」を書かせるのか
エントリーシートは就活において最初の関門であり、企業にとっては本人会うにうことなく合否を決める材料になります。特に志望者が多い人気企業の場合、エントリーシートは振り落とすための試験のようなものです。
実際、エントリーシートの趣味欄で合否が決まることはほとんどないでしょう。しかし、同じような学歴や経歴であった場合、面接官がどんな志望者だったら会ってみたいか(面接してみたいか)という視点で読むのが趣味欄です。何故かというと、全体的に同じような内容になりがちで他の就活生との差別化が図りにくいエントリーシートですが、趣味欄は志望者の人となりや性格などがわかりやすく、面接官が選考しやすいポイントとなるからです。
だからといって難しく考える必要はありません。毎日つけている日記やちょっとしたこだわりがある整理整頓術でも、エントリーシートに記入できる趣味や特技になります。
エントリーシートで「趣味」を書く際の注意点
趣味欄は、面接官が志望者の人間性を見るための1つの指標となるため、趣味欄を記入するにあたって注意すべき点をいくつかご紹介します。
注意点1 嘘は厳禁
とにかく大切なのは、嘘をつかないことです。記入欄がわざわざ設けられているということは、面接時の質問に反映されるということです。趣味として書いた内容に嘘があった場合、面接のときに訊かれた質問に対する回答がしどろもどろになったり、薄っぺらい回答しか出来なかったりと良い印象を与えないので、くれぐれも嘘は書かないようにしましょう。
注意点2 コメントなどを工夫する
項目としてただ「読書」「写真」「スポーツ」と記載しただけでは、担当者は趣味について具体的な内容をイメージできません。エントリーシートでは自己アピールも大切になりますので、項目に簡単なコメントを添えるほうが志望者の人となりをイメージしやすくなります。また、面接試験へ進んだ際には趣味についての質問から話が広がることで、うまく自分のペースに持っていけるケースもあります。
注意点3 趣味がなくても「特に無し」はNG
「あなたの趣味は?」と訊かれても、これといって思いつかない人も少なくないでしょう。しかし、エントリーシートの趣味欄に「特に無し」と記入するのはNGです。好奇心や向上心がないといったマイナスイメージに繋がりますし、なによりエントリーシートに対して真摯に向き合っていないと判断される可能性があります。
注意点4 生活の中の行いを趣味にしてみる
実際に趣味がない場合、日常生活の中で行っている活動を趣味に引き上げてみましょう。例えば、駅やバス停から学校までの距離を利用してウォーキングや散歩を趣味にしてみたり、自炊をもっと本格的にして料理を趣味にしてみたり、ただだらだらとDVDの映画を見るのではなく、自分が好きなジャンルを絞って深く調べながら観て記録したり等、意識と工夫次第で趣味は作れます。
面接官のウケが良い「趣味」とは?
エントリーシートに書く趣味は、もちろん本当にやっている趣味であることが前提ですが、いくつか趣味を持っていた場合、順位付けも大切になってきます。ここからは、面接官にウケが良いと言われている趣味の種類と添えるコメントの例文をいくつかご紹介します。
ウケの良い趣味1 志望企業にあっている趣味
志望企業の業界や業務内容・志望動機にあった趣味を持っている場合、面接官にアピールする良いポイントとなります。例えば外国語が必要な企業の場合、海外旅行は有利な趣味といえます。
海外旅行の例文
私の趣味は海外旅行で、今まで8か国を訪れました。どの国も日本とは違った独特の文化があり、日本という国を外から見直す良い機会となりました。
また、出来るかぎり現地の人と多く触れあえればと事前に訪れる先の言語を勉強して、片言ではありますが現地語を使ってコミュニケーションを取るようにしました。お陰で英語と中国語は日常会話には困りません。今は、御社にて即戦力となれるようにビジネス英語・中国語を勉強しています。
パソコンの例文
私はパソコンを扱うのが得意です。エクセルで家計簿をつけたり、ワードで友人たちと旅行へ行く際の旅のしおりを作ったりしています。
趣味を生かして資格を取ろうと思い、一昨年はワープロ検定で1級、昨年エクセルのスペシャリストレベルを受験し合格しました。現在はワードのスペシャリストレベルの資格を取得しようと思い、勉強をしております。
ウケの良い趣味2 人間性やリーダーシップを感じられる趣味
企業に所属する場合、自分が所属する部署だけではなく、社内の他部署はもちろんのこと、他の企業との連携が必要となることは言うまでもありません。そういった面から、人との関係性を築くことや、リーダーシップが必要な趣味も良いアピールにつながる趣味と言えます。その中では、やはりクラブ活動や団体に所属して行う趣味があげられます。
スポーツの例文
私の趣味はバスケットボールです。私は大学の3年間バスケットボール同好会に副主将として参加していました。同好会のメンバーは全部で30人程度でしたが、色々なレベルのチームメートがいて、練習の工夫や人間関係に大変苦労しました。
しかし、主将とともにチームをまとめあげ、メンバーそれぞれの個性を生かしたチーム作りを行う事ができました。最後の大会で今まで以上の成績を残せたことが良い思い出です。
読書の例文
私は読書が趣味です。1冊本を読み終わるごとにSNSにて感想を書いており、同好の士とともにオススメを教え合ったり作品の解釈について議論したりしていました。
先月、私が主催でSNSの同好の士の集まりを開きました。いわゆるオフ会というものですが、皆さんの予定を調整したりお店の予約をしたりと、奔走したお陰で「また集まりたいね」と言われたのが良い思い出です。
ウケの良い趣味3 独創性や工夫を感じられる趣味
企業によっては、企画やアイデアを出すことを求められるような仕事もあります。そのような場合は独創的や工夫といった、個性を発揮している趣味もアピールにつながります。突拍子もない趣味である必要はなく、よくある趣味の中に個性が出ていればよいのです。
料理の例文
私の趣味は料理です。ただレシピ通りに作るのではなく、いかに安く簡単に作ることができるかを日々研究し、進化させています。そのレシピはデータとして写真付きでワードでまとめていますが、その数は100種類を突破しています。サークルやゼミの仲間に配布し、大変喜ばれています。
面接官のウケが悪い「趣味」とは?
面接ウケが良いとされる趣味があるように、面接官の印象が悪くなる趣味も当然あります。深く考えずに書いてしまった場合、マイナスポイントとなりかねませんので十分な注意が必要です。
面接ウケが悪い趣味1 ギャンブル系の趣味
パチンコ・パチスロ・競馬といったギャンブル系の趣味を書くことはNGです。なぜならギャンブルをする人の印象には「借金がありそう」「お金にルーズそう」「時間を浪費してそう」といったマイナスイメージが多く、いくら節度を保って楽しんでいると訴えても取引相手との信頼関係が重要な営業職では歓迎されません。
面接ウケが悪い趣味2 ゲーム・漫画の趣味
クールジャパンという言葉とともに、ゲーム・アニメ・漫画の類の趣味も市民権を得てきたとはいえ、人によっては良い印象を持たれません。特に面接官が高齢であった場合、「子供じみている」「幼稚」といったマイナスイメージを持ってしまうことがありますので、ゲーム会社やアニメ制作会社といった関連のある企業を志望する場合以外は避けたほうが賢明です。
面接ウケが悪い趣味3 犯罪やテロを想起させるような趣味
サバイバルゲームやミリタリーグッズ収集など、一般的に戦争やテロを想起させてしまう趣味は書かない方が得策です。サバゲーについて知らない人にとってはスポーツや遊びというイメージがわかない為、いくら安全に遊んでいたとしても印象が悪くなってしまいます。
エントリーシートの趣味欄で、他の就活生に差をつけよう!
就職活動において、企業の採用担当面接官と就活生を最初に繋ぐのがエントリーシートです。さまざまなアピールポイントを悩みながら記載していきますが、1番頭を抱えるのが趣味欄です。
趣味欄によって合否が決まることはありませんが、同じような学歴・経歴の人と比べられる場合、趣味欄に興味を持ったことから面接に進めるケースもないとは言い切れません。そもそも企業もわざわざ必要のない項目を作りはしませんので、小さな記入欄だと侮らずに真摯にエントリーシートと向き合って自分のアピールポイントに繋げましょう。