インターンシップのレポートの書き方をマスターしよう
今や就職活動の中のひとつとして就活生に重要視されているインターンシップですが、多くのケースでは参加して終わりではありません。
インターンシップの全ての日程が終了した後に待っているのが「レポートの提出」です。レポートと言っても、大学の授業で求められるような特定のテーマがあるわけではなく、自分で自由に書くことができるのが普通です。
しかし、自由にできる反面、何を書いたら良いのか困る人も多いものです。インターンシップは採用活動そのものではないため、就活に直接響くことはありませんが、しっかりしたレポートを作成することはインターンの振り返りにもなり、就活のための力をつける絶好の機会ともなります。手を抜かずに作成しましょう。
インターンシップのレポートは提出先によって書き方を変えよう
インターンシップのレポートはどこに提出するものか、またどこから求められているものかをしっかり考える必要があります。相手によって書くべき内容に違いが生じてくるからです。レポートを求める目的がそれぞれありますので、それを踏まえた内容を書いていく必要があります。
大学に提出する場合の書き方
大学側がインターンシップについて斡旋している場合や、就活の参考にするためにインターンのレポートを求めることが多くなっています。大学側でレポートを求める理由は、一言で言って「大学の就職活動サポートの材料にするため」です。後に続く後輩たちにより良いインターン先の紹介や、また就職活動につなげるためのインターンの過ごし方などを提案するために求めています。そのため、インターン先を決めた理由や、インターンの内容、正直な感想などを求める傾向があります。
インターン先の企業に提出する場合の書き方
インターン先の企業から直接レポートの提出を求められる場合もあります。この場合の目的は、企業側のインターンプログラムの改善にあります。企業の目的としては、直接的な選考には表向きしないものの、インターンを通して学生たちの企業研究が深まったのか、志望の動機付けになったのか、プログラムの内容は適切だったのかなどを検討して改善することがあります。そのため、インターンのプログラムへの感想や、企業への印象を中心に作成していきます。
両方に提出する場合の書き方
両方に提出する場合は、同じレポートを提出することは控えてください。相手に合わせて表現するべきことが変わってきますので、骨子は同じだとしても、それぞれのニーズに合わせてレポートを作成します。
インターンシップのレポートで必ず書かなければならない項目
インターンシップのレポートを書く時は、どこに提出する時でも必ず書かなければいけない項目があります。ここでその必須項目を整理します。
インターンシップに参加する目的・動機
なぜその企業へのインターンシップ参加を選んだのか、その目的や動機を書きます。これも、大学に対してのものと、企業に対してのもので、書くべき内容が変わってくることがあります。大学向けなら企業選びの観点や就活へのステップとしての考えから、企業向けなら経営理念や事業内容などのどこに魅力を感じたかという部分から書くのが良いでしょう。
インターンシップで学んだプログラムの日程・内容
インターンシップの内容をしっかり伝えるためにも、何を行ったのかという実践ベースのプログラム内容が求められます。これは大学でも企業でも、評価する側が知りたい情報のひとつです。大まかな流れだけでなく、必要に応じて具体的な内容が説明されているとより有用なレポートとなります。
インターンシップで学んだこと・感想
インターンシップに参加することによって得られた学びや感想は、レポートの中核であり最重要なポイントとなります。「ためになった」「おもしろかった」と抽象的な内容にならないように注意し、具体的な記述を心がけましょう。そして、経験を通じてそれを就職活動などにどのように活かせそうかを書いたり、その後の生活における変化などがあれば記載します。
インターンシップの印象・改善点など
これは大学側から求められたレポートの場合にはしっかり書くべき項目です。企業や従業員の印象、またインターンのプログラムについて感じた率直な感想や、提案できるなら改善点なども書くことが求められる場合があります。翌年以降のための大事な情報になりますので、包み隠さず述べましょう。
インターン先への感謝
企業に提出する形のレポートでは、あえて求められることはありませんが、マナーとして必須です。時間を割いてプログラムを考え、教育し、就業体験をさせてくださったことに感謝する内容を必ず最初か最後に入れましょう。具体的な内容の方が良い印象を与えますので、できるだけ具体的に感謝を伝えましょう。
インターンシップのレポート作成のコツ
インターンシップのレポートに書く必須事項を覚えたら、上手にインターンシップのレポートを作成するためのポイントも押さえておきましょう。
1 インターン中こまめにメモを取る
就活でも就職してからもそうですが、こまめにメモを取る習慣をつけておきましょう。レポートの有無がわからないとしても、メモを取る習慣をつけておくと後で様々な内容を思い出す助けになりますし、思考を整理するための役に立ちます。特に時系列やプログラムは不確かになりやすいので、しっかり記録しておくとレポート作成時に助かります。
2 レポートの提出先を意識する
大学なのかインターンに参加した企業なのか、提出先が誰なのかを意識しておくことで焦点を当てるべき内容が違ってきます。逆に対象がはっきりしているほど書きやすくなりますので、提出先で誰が見るのかを意識しながらレポートを執筆していきましょう。
3 簡潔にまとめる
文字数に制限がない場合には、あれこれと詰め込みすぎて冗長になることがあります。インターンシップに直接関係ない情報は省いて、インターンの内容や感想にフォーカスしましょう。かといって、あまりにも簡潔すぎるのも良くありませんので、できるだけ具体的な記述を心がけてください。
4 構成に気を付ける
レポートの場合は形式が指定されていることもありますが、自由記述の場合には構成に気を付ける必要があります。基本的には「インターンに参加した動機」「プログラムの内容」「学んだこと・感想」の順で掻いていけば問題ありません。
インターンシップのレポート例文
同じ内容のインターンシップのレポートの例文として、大学向けと企業向けのものをまとめました。
A社インターンシップに参加して(大学向け)
8月1日~8月10日までA社にてインターンシップに参加しました。
このインターンシップへ参加した理由は、就活前にSIerの仕事についてしっかり理解をしたかったことや、自分との適性があるのかを確認したいと思ったからです。
実習中は初日に座学でビジネスマナーや情報セキュリティの教育、プログラミングの規約について学びました。2日目以降は手順書に従って実際にサーバーのセットアップから、アプリケーションのインストールなどを行い、チェックや報告書の作成を行いました。最後の3日間は、それまでの作業を元に、バッチファイルを作成してこれらの業務を自動化すること、そして成果についての報告会を行いました。
今回のインターンを通して、SIerに求められているのは単純にシステムに関する知識や提案力があるだけでなく、実践のプログラミングを考慮し、どのような設計や仕様にするかを考える力が必要だとわかりました。わかりやすく、そして早く書類を作成する技術も必要で、多くのスキルが必要な仕事だと感じました。
また、職種にもよるとは思いますが、思っていたほどシステムを相手にすることはなく、書類や打ち合わせに多くの時間を使うため、プログラミングや開発のスキルよりも、コミュニケーション能力を意識して高めていく必要があると感じました。
プログラムとしては大変充実していたと思いますが、作業の進行状況によっては長時間作業になったり、所定の時間に終了できなかったため、一緒に参加したメンバーからも心身の負担を感じるという話が出ていました。
インターンシップに参加して(企業向け)
このたびは、10日間のインターンシップに参加させていただき、誠にありがとうございました。
今回、御社の疑似現場体験ができるというプログラムに大変興味を持って参加させていただくようになりました。実際の業務とほぼ同じ内容で、テスト用のサーバーやパソコンなども手配していただいたこともあって、現場の雰囲気をリアルに感じることができました。
プログラミングには自信があったのですが、業務上で求められる、可読性などに配慮した仕様や、情報セキュリティ上の注意点など多様な制約・こだわりの中で作っていくというのは、より高いレベルが必要だとわかりました。自由にネットに接続できない環境では、レファレンスも見ることができないのは衝撃でした。
そして何より、思った以上に事務仕事が多く、そのために社員の皆さんがいかに書類に気を遣っているのかを知ることができました。
現場を知ることができ、成長のビジョンが具体的になったことを嬉しく思っています。同時に、御社について深く知り、強い興味を持てたことを収穫と感じています。
最後になりますが、インターンの間担当をしてくださったBさん、ならびに励ましの声をいただき、このような貴重な機会をくださったA社の社員の皆さまに御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
提出するのはレポートですので答えの正解不正解はありませんが、相手の求める内容をしっかり報告することが大切です。
インターンシップのレポートを成長の糧にしよう
インターンシップのレポートについては面倒に感じる学生も多いものですが、貴重な体験の機会を振り返ることで得られるものもあります。就活でもひとつひとつのアクションを振り返り、自分の成長の糧にしていくことを繰り返し、内定に結び付いていきます。良い習慣を身に着ける機会と思って、主体的にしっかり取り組んでみましょう。