「就活塾」はちゃんとしたところを選ぼう
最近は就職活動において内定獲得率を高めるための就活塾が人気を博しています。
一部では就職を望む学生を食い物にしたビジネスだと言われることもありますが、きちんと運営されている業者であれば、就活に必要な知識を体系立てて教育してくれますし、また難関企業と言われるようなところに対して綿密な対策も行ってくれます。いわば、大学受験における予備校のような位置づけとして、より上のランクの企業への就職を臨む就活生たちにとっては「当たり前」に通うべきものと考えられつつあるのです。
就活塾とは何をするところ?
就活塾とは、就職活動に関する情報提供やノウハウの伝授、そして就職に必要とされるスキルをトレーニングするための塾です。就活予備校とも呼ばれています。
学校や自治体、その他市民活動などでもサポートされることがある内容ではありますが、基本的には有償で就職支援サービスを提供するビジネスです。
就活塾の基本的なカリキュラム
- 就職活動の流れの説明
- 自己分析
- 企業研究
- 筆記試験対策
- エントリーシートの書き方
- グループディスカッション対策
- ビジネスマナー講座
- 面接対策(模擬面接)
就職活動をしやすいようにインターネット環境の整った自由に使える自習室や、いつでも無料相談が可能なように専門スタッフを揃えたり、自宅でも必要なことが学習できるオンライン学習システムなど、様々なサービスを同時に提供しています。
就活塾ごとに特徴も費用もピンキリで、個別指導中心のところもあればeラーニングを中心としたスクール、集団講義をメインとしたところや面接トレーニングなどの実習型に特化した塾などさまざまです。
就活生が就活塾に通う4つの理由
「絶対に必要」というわけではない就活塾ですが、通う人が後を絶たない理由はそれだけのメリットが期待できるからです。
1 最新の就職活動情報に触れることができる
現在の就職活動の仕組みは、社会情勢の変化と共に刻一刻と変わっています。そのため、今年までの就職活動に関する常識が来年大きく変わることもあります。そうなると周囲にも詳しい人がおらず情報収集や整理が苦手な人は準備やスタートが遅れてしまいがちです。そんな複雑な就活の概要や成功させるためのコツを教えてくれるのが就活塾に通う最大のメリットでしょう。
2 企業が就活生に期待することを知ることができる
就活塾のスタッフには人材サービス会社や企業の人事部で働いていたという人も多いため、就職に求められる学生のレベルや企業側が期待するものを把握しています。
独力で就活をしていると、どうしても自分の考えで作成物や面接のレベルを考えてしまいがちです。正しい認識を持つことで自分のレベルと目指すべきレベルとのギャップを埋めることができ、結果的に内定につなげることができます。
3 就活に必要なスキルを身に着けられる
就職活動は誰もが通る道であり、特殊なトレーニングなしに通過できるものではあります。しかし実際には相手に好印象を抱かせ、多くのライバルに勝つ為に、最低限のビジネスマナーや自己表現のノウハウなど様々なスキルが必要となります。こういったスキルを学ぶことで、社会人としての基礎力の養成にもなります。
また、座学だけでなく、スポーツのコーチやトレーナーのように個人に合わせたトレーニングをしているところも多いです。
4 良い就職先を得られる可能性が高まる
当然、就活塾に通う目的は企業から内定をもらい、より良い就職をすることにあります。就活塾の相場はおよそ15~30万円することが多いのですが、就職する先によって給与も昇進ペースも生涯給料も違います。より良い就職先に就職できるならその投資に対する費用は安いものです。
就活塾の講師は信用できるのか?
就活塾には設立のための基準がなく、誰でも設立することが可能で、教員も誰でもなることができます。塾の質は講師の質が決めるというのは学習塾でも就活塾でも同じですので、講師に関しては大きな問題です。
就活塾の講師としては、上場企業の人事部経験者や、現役人事コンサルタント、キャリアカウウンセラー、大学の就職センターでの勤務経験者など様々な人が入っています。基本的には就職活動のスペシャリストと言える立場の人が多くなっています。
また、CAやマスコミ、一部メーカーなどは、希望職種ごとに担当講師が異なったり、外部から講師を招聘して特別講義を行ったりするところもあります。
講師の質というのは究極的には入ってみなければわからないところがありますが、職歴などがしっかり紹介されていたり、体験授業や授業風景の動画などを見ることができれば、そこから情報を得ることができます。同じ就活塾内でも講師の質はバラツキがあるため、できれば複数の講師を確認するようにしましょう。
ブラックな就活塾を見分ける5つのポイント
就活塾はメリットも多いのですが、簡単に設置できるために詐欺などのネガティブなイメージも少なくありませんし、実際そのような就活塾もありトラブルがないとは言えない状況です。就職活動を成功させるためには、しっかりした就活塾を見極めるポイントをしっかりと押さえることが重要となります。
1 塾の運営年数が3年以上あるか
就活塾に限らず、事業を軌道に乗せて継続することは簡単ではありません。少なくとも3年くらい続けているのであれば、ある程度信頼して良いでしょう。赤字だとしても3年ほど続けているなら、それだけ就活を支援するという必要性を感じ、熱意をもってやっていると考えられるからです。
詐欺や儲け目的なら、稼げないと思えばすぐに撤退するでしょう。理想を言えば年々実績が上がっているところを選ぶのがベターです。
2 就活塾の情報をしっかり公開しているか
ブラックな悪質就活塾を避けるためには、情報公開がしっかりしているところを選ぶべきです。情報公開というのは、インターネットなどで見られる情報だけではありません。無料の体験会や講義風景などの動画など、様々な形で就活塾の雰囲気を公開しているところが信頼できます。
情報コンテンツをしっかり作り、公開するのは時間やコストがかかるので、しっかりしたところでなければ継続的に更新することもできません。
3 かかる費用があまりにも安すぎないか
就活塾の費用はコースによっても異なりますし、また立地環境や設備、提供しているコンテンツによっても異なります。高すぎると思われる場合は別ですが、費用をあまりにも意識しすぎることでよくない業者にあたる場合もあります。
費用を考えるなら、総額だけでなく、単位時間あたりの費用まで計算して比較しましょう。授業の時間だけでなく、個別の面談の時間などが多ければそれだけ時間に上乗せして計算してこそ真のコスト比較になります。
4 契約を急がせていないか
本当に信頼できる就活塾は、就活が将来を左右するものであることを知っています。そのため、しっかりと親の了解の元で通うように言います。
しかし、悪徳業者は逆に親や学校には言わないように勧めたり、契約書類の記入を急がせます。特に、学費の納入について消費者金融やクレジットカードなどの契約書が出てくるところは注意が必要です。
5 勧誘フレーズに煽りがないか
就活塾の無料セミナーなどに参加することによって、ある程度雰囲気をつかむことができますが、漫然と参加すると熱に浮かされるというか、ある種の高揚を感じる人が多い傾向にあります。具体的な内容よりも就職への危機感を煽ったり、「●●力」などの独自フレーズが多用されるような場合は注意が必要です。
地方の就活生はオンライン就活塾を探してみよう
大手なら尚更ですが、実は日本国内の就活塾の多くは東京にあります。これは至極単純な理由で、東京には企業も学生も多いためです。必要な人がそこに多く、また情報収集もしやすいということで、東京には就活塾が多くなっています。
地方にもないわけではありませんが、運営上は不利になりやすく、地方の就活塾は全国区の企業よりもより地方の有名企業などにローカライズされていることが多い傾向にあります。
また、インターネットの活用によってオンライン上で地方の学生が首都圏の就活塾を利用できるようにもなってきていますし、地方の就活塾は拠点だけを提供し、提携先からオンライン授業を受けていることもあります。
就活塾は「石橋を叩いて」選ぶのがベスト
就活塾は増えてきたとはいえ、成熟度や実績においてはまだまだこれからというところが少なくありません。中には悪徳業者が入る可能性もありますし、新規参入したものの残念ながら実力不足の業者もあるでしょう。現時点では就活塾については玉石混交ですので、実績を中心に石橋を叩いて渡るつもりで選んだ方が良い状況です。
また、就活塾側を推し量るだけでなく、自分のタイプを理解することも就活塾選びにおいては大切なことです。自分に本当に必要なのか、様々なコンテンツをうまく活用できるのか、そういった観点からも慎重に考えて選びましょう。
就活塾は自分にマッチする良いところを選ぶことができれば、就活の成功によって大きなリターンを得ることができます。利用を考えている就活生はよく考え、よく確認して選んでください。