内定と内々定の違いとは?内々定をもらって大喜びしちゃダメ?!
就職活動をしている人や転職希望の人が一番聞きたい言葉、それが「内定」です。しかし似たような言葉で「内々定」というものもあり、「内々定」をもらって「内定」だと勘違いして喜んでしまう人も多いのではないでしょうか。
しかしこれらの似ている2つの言葉は、若干意味が違うので注意しなければいけません。ここではついつい同じ意味として捉えてしまいがちな、「内定」と「内々定」の大きな違いをご紹介します。
1.内定と内々定の大きな違いは“労働契約”の「あり」と「なし」
内定と内々定の大きな違いが、「労働契約を交わされているか否か」ということです。内定は会社や企業から正式に労働契約を受けていることになります。労働契約は雇用側と雇われる側・双方の合意・承諾によって成立します。
就職活動中の人が中途採用であっても、就職希望先から採用通知が送られて来てこれに合意すると「内定」となります。
逆に内々定とは、会社や企業と労働契約がされていない状態です。あくまでも「内定予定」であり、就職希望先からは「採用予定通知」というものが送られてくる場合もあります。
2.新卒就活生の内定と内々定は時期で分けることができる
労働契約が交わされているか否かで意味合いが違ってくる内定と内々定ですが、大学4年生などの新卒就活生の内定と内々定は時期で分けることができます。
一般的に大学4年生の10月以前は内々定、それ以降は正式な内定が出されます。これは日本の大きな会社や企業が所属している日本経団連が、あまりに早い時期からの採用に自粛を呼びかけているからです。
しかし多くの企業が4月以降から採用の意志を示す内々定を送り始めます。その時点では内々定を口頭などで就職希望者にお知らせをし、10月以降に文書などで正式な採用通知が届けられ契約書や誓約書を会社や企業側に提出する作業が始まります。実際に内定を受け労働契約を交わした新卒者は、卒業後の4月から実際の就労が始まります。
内定と内々定は取り消されることもある
ほぼ働けることが決まっている内定、契約は交わしてはいないけどひとまず安心な内々定、どちらの内定も取り消される可能性があります。内定と内々定どちらにしても、これは就職希望者に会社や企業側が採用を約束していたにもかかわらず何らかの事情で内定を取り消さなくてはならない事情が出てきた時に起こります。この「何らかの諸事情」には、大きく分けて2つあります。
就職希望者の事情で内定取り消し
内定及び内々定をもらっていたにもかかわらずそれを取り消されてしまうのには、就職希望者が就労開始までの期間に何らかの問題を起こした場合、会社や企業側より内定を取り消される場合があります。
例1)内定をもらったにもかかわらず単位が取れず留年した。
まるでドラマのような話ですが、よくある就職希望者側に起こり易い内定取り消し理由です。
例2)内定前、それ以降に問題を起こした。
昔は大きな企業が内定者の素行調査などをする話はよく聞かれましたが、不景気なこのご時世、会社や企業も時間的かつ金銭面の余裕がないので余程の大問題でない限りは発覚することはありません。もちろん内定を受けた後も、気持ちよく就労を始められるように真っ当な生活を送ることが大切です。
例3)面接や履歴書の嘘がバレた。
なんとか企業からの内定をもらおうと誰もが必死になって履歴書を埋めますが、中には嘘の事実を記入し内定後に発覚、それによって内定が取り消されるケースもあります。仕事によっては資格や免許の所持が条件のものもあります。持っていないものを「持っています」とするのは立派な詐欺に当たるので注意しましょう。もちろん大学を卒業していないのに「卒業しました」もNGです。どうしても「卒業するって分かって欲しい!」という人は、「20○○年、○月、卒業予定」としましょう。
企業側の事情で内定を取り消し
企業や会社側の事情で内定を取り消される原因が、経営状態の悪化により人員削減が必要になった時などに起こります。もちろん危機的状況に置かれている企業側からすると内定を取り消してなんとか現状に留まりたい一心ではありますが、内定を取り消された側からすると納得がいかないかもしれません。
一般的には内定後に会社や企業側から内定を取り消されるのは「解雇」と同じ意味を持ちます。しかし法律上労働契約を結んでいない内々定の状態では、会社や企業側から内定取り消しを受けても損害賠償請求などは認められないので注意しましょう。
内定と内々定の意味とそれぞれの違いは就活前に知っておこう
似た2つの言葉、内定と内々定ですが大きな違いはひとつだけ。「労働契約が正式に交わされているかいないか」なのです。就職活動をしている人は内定と内々定の違いを学んで、実際に就労する日まで失敗しない就職活動を続けましょう。