大人気の旅行業界、志望動機の書き方はそれで大丈夫?
常に学生たちから高い人気となっている就職先が旅行業界ですが、旅行業界の競争率は非常に高くなっており、その中から内定を勝ち取るのは困難になっています。
旅行業界でも他の業界と同様に志望動機を問われますが、この旅行業界における志望動機は、他の業界以上に意味があるものと考える必要があります。ありきたりではダメ、という点はもちろんですが、それ以上に「旅行業界で求められているような動機なのか」を検討する必要があります。自分の志望動機についてよく見直してみましょう。
志望動機の書き方は旅行業界についてしっかり考えることが大切
旅行業界への志望動機を作るなら、旅行業界についてもよく調べておくことです。学生のイメージと、業界を取り巻く環境には違いがあることも少なくありませんので、間違ったイメージで志望動機を作らないように注意します。
旅行業界と一口に言ってもどれも同じではない
旅行業界と言っても、旅行に関係しているものを全て含めるなら非常に広い範囲になります。そのため、企業規模や仕事の内容によって収入や休日、労働時間なども様々です。自分の行きたいと考えている企業や職種などについて、しっかり考えた上で志望動機は作る必要があります。
近年、旅行業界はインバウンドに力を入れる企業が多くなっている
普段考える旅行はアウトバウンド(日本から海外へ)が主ですが、旅行業界は昔と比較してインバウンド(外国から日本への人の移動)対応に関する需要も増え、その対応に力を入れている企業が多くなっています。
少子高齢化によって日本の人口減少は始まりつつあり、旅行者というマーケット自体が国内では縮小していきます。一方で、国が東京オリンピックに向けての外国からの訪日客の誘致に力を入れており、その成果として訪日客が大幅に増加してきているためです。
旅行業界は自社だけではコントロールができないことが多く不安定
旅行業界はどうしても国内外の景気の影響を受けやすく、加えて為替や原油価格の推移などの影響もありますし、国際情勢にも常に注意を払っておく必要があります。自社だけではコントロールしにくい要因が多いため、規模が小さい会社ほど不安定になりやすい業界です。
旅行業界は心身ともにハード
近年は旅行会社がらみのトラブルや事故も相次いでおり、トラブルがあれば幸せな旅行が一転不幸な出来事になってしまい、クレーム・批判の的にさらされます。見合った給料がある会社もあれば、見合わない会社も多いです。基本的に心身ともにハードな環境になりやすく、体力面でも自信がないと続きません。
だからこそ旅行業界の志望動機は「旅行が好き」の上を行く必要がある
旅行業界は、体力的にハードで離職率も高いです。旅行を取り扱いますので、非常に納期が厳しく、心身共にストレスも強い業界です。
旅行業界が学生にとって人気があるのは、旅行という非日常に憧れや幸せな経験が多いからですが、それは旅行客としての視点であり、それを裏側で支える立場ではありません。
「旅行が好き」と思っていても、「自分が行きたくないところに行かねばならない」、「自分の好きな時に行けない」、「自分の好きな人とはいけない」等の条件がつくと、「実は旅行がそれほど好きでもなかった」というケースも多く見られます。
旅行業界を志望する場合には、「旅行が好き」なのは当たり前のこととして、その旅行にどのような意味を見出し、どのような立場でその旅行に携わりたいのかを明確にする必要があります。志望動機が「旅行が好き」の上を行ってこそ、企業側もその後の働きに期待と安心を持って採用することができるのです。
旅行業界の志望動機書き方のポイント
企業の目に留まる志望動機を書くにはコツが必要です。旅行業界の志望動機書き方ポイントを紹介しますので、セルフチェックに役立ててください。
1.ビジネスマナーは守られているか
旅行業界はサービス業の中でも特にマナーが大事な業界です。マナーのない人が応対するなら、せっかくの楽しい時間が台無しになることは想像に難くありません。そのため、就活生といえども、書類ひとつ、文章ひとつもマナーはチェックされていると考えておきましょう。
2.志望動機に必要な内容が含まれているか
旅行業界の志望動機では、「業界を選んだ理由」「応募した企業を選んだ理由」「自分のやりたい職種」「自分の適性」は最低限伝えなければなりません。これらが相互に矛盾なく、一貫性のある話として表現されているかをよくチェックしましょう。
旅行業界に入りたいという気持ちが強すぎると、いかに「旅行が好きか」をアピールしてしまって肝心の志望動機が見えなくなることがありますので注意してください。
3.志望動機の表現はポジティブか
旅行業界はお客様に楽しい時間を提供したり、人や物の移動に関する様々な手間や気苦労を取り除いたりすることをサービスとしています。そのため、常に相手の気分を良くできるような対応が求められる、サービス業の中のサービス業です。志望動機ひとつも、前向きな気持ちが伝わるものか、それを耳にする企業側にとっても気分のよいものか良く考える必要があります。
4.志望動機は地に足のついた内容になっているか
学生は旅行業界に華々しいイメージや、楽しいイメージをもっています。旅行業界に入れば毎日のように旅行ができると考えている人もいますが、ごく一部を除けばそんなことはありません。
浮ついた気持ちで入ってくると、現実の業務とのギャップで苦しみ、退職することになりかねませんので、企業側は志望動機をチェックしながら、地に足のついた内容かを見ています。
業界研究や企業研究、自己分析がしっかりできていないと、憧れやイメージが先走って地に足のついていない内容になりやすいので気を付けましょう。
5.企業側に自分の持っている能力やメリットを提供しているか
社員の採用は、社会人生活をその会社でずっと続けると仮定するなら、企業にとっては何億円という大きな買い物といえます。多くの人の中から自分を選んでもらい、企業にも満足してもらうためには、企業側に対しても自分を採用するメリットを提供しなくてはなりません。
志望動機は企業への入社を志望する理由ですが、自分の持っている能力やメリットについても、本筋を崩さない程度にアピールすることができると効果的です。
旅行業界への志望動機の書き方例文
旅行業界への志望動機の例文を見ていきます。ダメな例と良い例に分けて作りましたので比較しながらご覧ください。
ダメな旅行業界への志望動機の例文
旅行業界への志望動機の例(NG)
私が御社を志望したのは、大学時代に、バックパッカーとして東南アジアを巡り、多くの人と接することができたことで価値観が大きく変わったからです。
たくさんの人との出会いは、日本が島国であり、世界の一部しか知らなかったことを知るキッカケとなりましたし、日本の良さも知ることにつながりました。たくさんの旅行で得た日本の良さを、仕事を通して伝えていけたらと思います。
御社なら国内外の多くの旅行を取り扱っており、私がやっていきたいことができると感じました。どうぞ、よろしくお願いします。
志望動機の失敗に多いのは、この例のように自分の考えや経験を伝えることに躍起になってしまうことです。業界研究をしていても、その研究成果が見えなければ意味がありません。志望動機と自己PRを混同しないように気を付けましょう。
「大学時代にバックパッカーとして旅行をして価値観が変わった」ことと、数ある企業からその企業を志望したことにつながりが見えない点も気になります。企業でやっていきたいことについても不明確で、それが企業でどのように実現するかイメージがわきません。
良い旅行業界への志望動機の例文
旅行業界への志望動機の例(OK)
私が御社を志望したのは、「旅行を通して多くの人にたくさんの気づきを与えたい」からです。
大学時代にバックパッカーとして東南アジアを巡りましたが、日本とは人種や文化が全く違う外国を巡り、価値観が大きく変わりました。また、日本という国の見方も変わり、自分の国の歴史や文化に誇りを持てるようになったこともあり、アルバイトで本日客相手の観光ガイドを始めるようになりました。
旅行代理店は数多くあり、それぞれが様々な提案をしていますが、御社では各地の文化や歴史に触れるツアーや企画が多く、多くの人に様々な地域の良さを伝えることができると感じています。多くのお客様に気づきを与えられるよう、努力を惜しまないつもりです。よろしくお願いします。
基本的にNG例と同じ内容ですが、ひとつひとつの情報の内容に繋がりが出ることで説得力のある内容になっています。特に、多くの企業の中からその企業を選んだ理由を「文化や歴史に触れるツアーや企画が多い」とその特徴をつかんでおり、企業側としても「おっ、わかってるな」と嬉しい気持ちになるでしょう。
旅行業界の志望動機を書く時は企業への理解を感じさせるように書こう
旅行業界に興味を持ち、志望する理由はいくつかあります。まず第一に、旅行業界は、人々の人生にとって非常に重要な役割を果たしていると考えています。旅行を通じて、新しい文化や風習に触れたり、自分自身を成長させたりすることができます。そして、そのような経験は、人生において非常に有益で価値あるものとなります
また、旅行業界は、その多様な顧客層に合わせて、様々なサービスやプランを提供することが求められます。そのため、創造的な発想や柔軟性が求められる分野であると感じます。私自身も、チャレンジ精神があり、新しいアイデアを考えることが得意です。そのため、旅行業界で自分自身を試したいと思っています。
さらに、責任感やチームワークが求められる仕事でもあると考えています。顧客が安心して旅行を楽しめるよう、細やかな気配りやプロのサポートが必要です。また、チームメンバーと協力して仕事を進めることで、顧客に満足してもらうことができると考えます。
最後に、貴社が旅行業界において、顧客に満足してもらえるサービスを提供し続けている点に、大変魅力を感じました。そのような姿勢は、私自身の志向にも非常に合致していると感じています。私は、貴社において旅行業界における自己実現を果たし、顧客にとって価値ある旅行を提供するために、全力で取り組みたいと考えています。