「仕事が多すぎる」のはどうして?
「仕事が多すぎる」と感じる社会人は多いもの。ワークライフバランスという言葉がありますが、仕事と生活のバランスを取るというのも、仕事がきちんとできていてこそです。仕事が回っていない状態で生活を優先させるなんて、とてもじゃないですが言えません。
しっかりと仕事をこなしたいけど量が多すぎて回らない場合は、なぜ仕事が多すぎるのかしっかりと原因を考えた上で対処する必要があります。仕事量が多く残業やサービス残業、休日出勤が続いている状態に泣き寝入りせず、できることを探してみましょう。
自分の仕事が多すぎるかどうかを確かめるには
「仕事が多すぎる」と感じることはあっても、そう感じる人の中には、妥当な仕事量がわからないという人も少なくありません。どうしたら妥当な仕事量を判断することができるのでしょうか。
1 上司に仕事量が妥当かどうか確認する
自分の仕事量を把握する上で、最初に行いたいのが上司に確認することです。仕事を振っているのが上司本人である場合もありますが、上司は当人の業務経験もあり、他にも多くに社員の状況を知っている立場ですので、他の事例やあなたの能力を客観的に考えた上で仕事量の多い・少ないを判断することができます。
労務問題となった場合には上司にも管理上の責任が発生しますので、不必要に多い仕事が割り当てられているようなら調整してくれます。上司とは言え部下の全ての仕事を把握できているとは限りません。声を出さなければ仕事量が多いことが伝わらないことも多いので、きちんと相談しましょう。
2 他の人の仕事量を観察してみる
自分の仕事量が妥当かどうかを判断するひとつの基準となるものが周囲の人の仕事量です。何をどのくらいやっているのかということは、話を聞いてみればわかります。
自分と同程度の仕事量である場合は、何をどのように行っているのか、どのように効率化しているのかを聞いてみると良いでしょう。他の人を観察し比較することで、自分の仕事の仕方について改善の方向性が見えてきます。
3 与えられた仕事量と売上や時給を比べてみる
仕事量の多い・少ないを考える上で、営業職であれば自分の売上や時給を考えてみるのもひとつの方法です。売上も仕事量も他の社員よりもずっと多いのであれば、他の人の分まで働いていることになりますから、それだけ仕事量は多いと言えます。
売上の発生しないバックエンドの社員だと難しくなりますが、たとえば正社員で派遣の事務社員と比較しても、ずっと時給が低くなる場合には仕事量が多すぎる可能性があります。
多すぎる仕事を減らすには「自分の立ち位置」を考えること
仕事量が多い人というのは、余計な仕事までしているケースが少なくありません。仕事を減らすには、「自分の立ち位置」を考えて、自分の仕事の範囲の業務をすることです。
チームで仕事をしているなら、各自に役割が定められているはずですが、様々に動いているうちにそれがうやむやになって、とりあえず使いやすい人に仕事が集まったりすることがよくあります。自分の仕事の範囲を確認し、負担が大きいようなら「NO!」と断ることも大切です。
会社によっては、自分の任された以上の仕事をしたり、人の仕事を奪うくらいになってこそ出世が見込めるという会社もありますが、だからと言って自分の仕事や生活が回らないようでは本末転倒です。人の仕事にどこまで関わるかも含め、よく自分の位置を見直してみましょう。
仕事が多すぎるなら自分のスキルを高めることも大切
仕事量が多いと感じる場合、自分のスキルが足りない場合も多いものです。
例えば、パソコン操作においてブラインドタッチができなかったり、またショートカットキーの使い方を知らないという場合には、それだけでも書類作成などの仕事の効率が大きく変わります。仕事の受け方でも、しっかりメモを取ったり復唱するだけでもミスは少なくなります。
得意不得意はもちろんありますが、最低限の業務をこなす上での仕事のスキルは身に着ける必要があります。経験によって身につくものもあれば、学習や訓練によって身につくものもありますので、スキルの向上によって仕事を早くできる部分がないかよく考えてみましょう。
もしそういったスキルがあれば、スキルの習得を優先させるべきです。与えられている仕事はあると思いますが、上司に相談するなどして自分のスキルを高めるための時間を作りましょう。しかし、自分のスキルを求めるあまり仕事で周囲に迷惑をかけるなら社会人失格です。スキルアップのためにも、一時的な仕事量の削減を上司などに相談してみましょう。
本当に仕事が多すぎるなら納期や業務スケジュールを調整しよう
仕事の重要度やハードさを決める大きな要素に納期があります。小学生の夏休みの宿題を考えるとよくわかりますが、一日で終わらせるのは相当大変です。しかし、一ヵ月程度の期間があれば、きちんと計画的に行えば難なく終わります。
仕事には納期が設定されていますが、仕事量が急に多くなる人は納期の調整がうまくできず、納期が近い仕事が増えすぎてしまいます。納期は動かせないと思っていると、近い納期の仕事が増えた時にいずれ耐えられなくなるのは目に見えています。
仕事の優先順位を決めていくために、必要に応じて納期や業務スケジュールの調整をしていくと、不思議にも多すぎると思っていた仕事の量がそこまででもなく見えてきます。自分が無理なく業務を行えるように計画する計画力や、希望の納期に調整できる調整力があれば、同じ業務遂行能力だとしてもできる仕事量も感じる負担感も大きく変わってきます。
ただし、納期を守ることは社会人として信頼を得るための基本です。調整後に納期を守れないなら、あなた自身も信頼を失うことになりますし、お客さんのいる案件であれば自分だけでなく会社の信頼にも傷がつきますので注意しましょう。
どうしても仕事量が減らないなら転職も視野に入れる
仕事量が多いと感じ、考えうる対策を取り続けたけれども大きく変化がないという場合には、それはやはり仕事が多いのでしょうし、自分にその職場が合わないのでしょう。その企業がいわゆるブラック企業である可能性もあります。
その場合、その会社に固執することなく転職を考えるのも選択肢のひとつです。自分の責任分担として行うべきことを十分に行えていない場合、転職は逃げになり、転職先で同じことを繰り返す可能性がありますが、行うべきことを行っても仕事量が多いなら仕方ありません。
転職を行う場合には、収入を考慮するのは当然ではありますが、同様の雇用形態や職種である場合には同じような仕事量になる可能性もあります。面接の際などによく他の社員の状況や仕事の内容を確認したり、エージェントがいる場合はエージェントを通して情報収集を怠らないようにしましょう。
仕事が多すぎる人は思い切って改善策を提案してみよう
仕事量が多すぎると感じる人の多くは、自分一人で物事を抱えてしまいがちです。「その仕事を行うべき責任があるのは自分」という責任感の強さは社会人として非常に重要なものではありますが、周囲と協力して行うという選択肢がないわけではありません。わからないところは聞き、一人で難しいところは協力を求める、これも立派な仕事の方法です。
また、上司に「仕事が多い」と言えない人もいます。自分が無能であることを示しているようで嫌だというプライドの高い人もいますし、中には上司の期待に応えられなかったり、怒られるのを恐れている人もいることでしょう。
しかし、これも周囲から自分がどのように見られるのかを考えているだけです。上司の仕事は部下の仕事の進捗管理や体調管理もありますから、仕事量が多ければ相談して調整してもらうこともまた上司の仕事なのです。
あなたの仕事が多すぎる理由が社内の仕組みやシステム的な部分にあるのであれば、それに甘んじて仕事が多いとぼやくのではなく、それを改善するのが従業員の務めです。特に正社員であれば、従業員は会社に対してより良い労働環境を作るための努力義務があります。
自分のことばかりでなく、全社のためにも改善・解決を提案していきましょう。こうしたノウハウの蓄積が組織の文化や強さにつながっていきます。
仕事が多すぎる場合にできることはたくさんある!
仕事量が多い場合には、「仕事量の大小を判断」「自分のするべき仕事を確認」「自分のスキルアップ」「周囲との協力」「納期の調整」といった対処が可能です。自分の仕事内容にあてはめて、可能なところから手をつけていきましょう。
それでもダメな場合は転職をするのも悪い方法ではありません。仕事量だけでなく給与や休日などの待遇の改善も期待できる可能性もあります。仕事量が多い人の中には、その多い仕事をこなす上でプロとしての実力が知らないうちについている場合もあり、実はより良い待遇で働けるスキルが身についている場合もあります。
仕事量をうまく調整して、公私が充実するよう、そして自分の心身の健康も守ることができるようにしていきましょう。